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5. 日本の主要輸入先国の動向(2021年9月時点予測)

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最終更新日:2021年10月11日

5. 日本の主要輸入先国の動向(2021年9月時点予測)

2021年10月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14−200〉の合計)の主要輸入先国は、豪州およびタイで、2020年の主要輸入先国ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比5.2ポイント増)、タイが10.5%(同8.1ポイント減)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。

豪州

2021/22年度の砂糖生産量は、わずかに増加する見込み  
 2021/22年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比1.2%減)とわずかに減少すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3104万トン(同0.3%減)と前年度並みで推移すると見込まれる。

 砂糖生産量は、サトウキビの可製糖率(CCS:Commercial Cane Sugar)(注)の上昇を受けて430万トン(同0.4%増)とわずかな増加が見込まれる。輸出量は、在庫量の減少を背景に、325万トン(同3.1%減)と依然減少傾向が続くと見込まれている。

(注)サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。

豪州主要砂糖輸出ターミナル、2020/21年度の純利益はわずかに増加  
 シュガー・ターミナル株式会社(STL:Sugar Terminal Limited)(注1)は8月26日、2020/21年度(7月〜翌6月)の年次報告書を公表した。これによると、同年度の税引き後純利益は、前年度比1.8%増の2710万豪ドル(22億2220万円:1豪ドル=82円(注2))とわずかに増加した。ピーク時には220万トンの粗糖が同社のターミナルに保管されたほか、同年度は船積み作業も滞りなく行われ、年間で合計110隻の船が発着した。STLは、コロナ禍においても質の高いサービスを維持し、従業員の安全も守ることができたとしている。事業の多角化に関する取り組みとしては、同社のターミナルの一つが存在するクイーンズランド(QLD)州バンダバーグ港の運営企業と協力し、既存の砂糖用ターミナルに砂糖以外の商品を扱う施設を併設するための詳細な設計を行うことを決定した。最終的な投資決定は2022/23年度に行われる予定としている。

(注1)豪州のQLD州に六つの砂糖輸出ターミナルを所有し、同国産粗糖の9割以上を取り扱う。貯蔵能力は250万トン。年間約400万トンの粗糖に加え、糖蜜、木質ペレット、鉱物(石こう、けい砂など)など計460万トン以上の商品を取り扱う。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。

表6 豪州の砂糖需給の推移

タイ

2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み  
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、種苗の不足(注)やキャッサバなどの他作物との競合により、143万ヘクタール(前年度比3.9%減)とやや減少すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、8400万トン(同26.0%増)と大幅に増加すると見込まれる。  

 砂糖生産量は、サトウキビ生産量の大幅な回復を受けて970万トン(同23.8%増)と大幅に増加すると見込まれる。輸出量も、記録的な不作となった前年度からの反動を受けて、720万トン(同96.1%増)と大幅に回復し、前年度比で倍増に迫る状況となることが見込まれる。

(注)種苗が不足した要因として、2019/20および2020/21年度におけるサトウキビの収穫面積や単収の減少が挙げられる。

表7 タイの砂糖需給の推移・(参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

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