砂糖類の国内需給
最終更新日:2021年10月11日
砂糖類の国内需給
2021年10月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和3年6月に「令和2砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は
2021年8月号参照)。
2. 輸入動向
【粗糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2021年7月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14−110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、7万4679トン(前年同月比25.5%減、前月比44.4%減)であった(図1)。
輸入先国は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイおよび米国、甘しゃ糖・その他については豪州で、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。
タイ 8985トン
(前年同月輸入実績なし、前月比63.9%減)
米国 19トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
豪州 6万5675トン
(前年同月比34.5%減、前月比39.9%減)
2021年7月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、5万6115円(前年同月輸入実績なし、前月比5.2%高)であった(図3)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 5万5985円
(前年同月輸入実績なし、前月比5.0%高)
米国 11万7789円
(前年同月および前月輸入実績なし)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、5万3874円(前年同月比52.2%高、前月比3.5%高)であった(図4)。
【含みつ糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2021年7月の含みつ糖(HSコード 1701.13−000、1701.14−190)の輸入量は、241トン(前年同月比27.6%減、前月比52.2%減)であった(図5)。
輸入先国は中国、フィリピンおよびインドの3カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図6)。
中国 213トン
(前年同月比6.6%減、前月比41.2%減)
フィリピン 27トン
(同57.1%減、同65.8%減)
インド 1トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、13万3017円(前年同月比11.3%高、前月比8.2%高)であった(図7)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
中国 12万634円
(前年同月比2.0%高、前月比6.5%安)
フィリピン 22万2333円
(同50.3%高、同85.7%高)
インド 35万9000円
(前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
7月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2021年7月の加糖調製品の輸入量は、3万7205トン(前年同月比14.7%減、前月比5.9%減)であった(図8)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3.異性化糖の移出動向
8月の移出量は前年同月からかなりの程度増加
2021年8月の異性化糖の移出量は、6万9437トン(前年同月比10.7%増、前月比19.4%減)であった(図9)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。
果糖含有率40%未満 364トン
(前年同月比19.5%増、前月比12.5%減)
同40%以上50%未満 1万6963トン
(同0.4%減、同14.8%減)
同50%以上60%未満 5万1630トン
(同15.8%増、同20.8%減)
同60%以上 480トン
(同41.5%減、同18.8%減)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖は前月から6円程度値上がり
8月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり198〜199円
大阪 同198〜199円
名古屋 同196〜202円
関門 同196〜202円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり210〜213円
大阪 同213円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり203〜204円
大阪 同203〜204円
名古屋 同201〜207円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり198〜199円
大阪 同198〜199円
名古屋 同194〜200円
8月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの 1キログラム当たり141〜142円
果糖分55%もの 同147〜148円
【小売価格】
8月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で32.6円
KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、193.0円(前年同月差2.6円高、前月差2.8円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は32.6円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
8月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で79.2円
KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、246.7円(前年同月差3.5円高、前月差0.8円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は79.2円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
8月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で52.4円
KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける8月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、235.4円(前年同月差0.4円高、前月差2.3円安)であった。最も高かったのは九州・沖縄で、最も安かった関東などとの価格差は52.4円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【購入金額および購入量】
7月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに上昇
総務省「家計調査」によると、2021年7月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は34、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は88円(前年同月比2.3%高、前月比37.1%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、332グラム(同11.4%増、同28.1%減)であった(図12)。
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