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新型コロナウイルス感染症関連の情報

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最終更新日:2021年11月10日

新型コロナウイルス感染症関連の情報

2021年11月

調査情報部    

 調査情報部では世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各国政府の対応など需給に影響を与えるタイムリーな情報を、海外情報としてホームページの以下のURLに随時掲載しております。
(掲載URL:https://www.alic.go.jp/topics/index_abr_2021.html)  

 ここでは、1月13日までに掲載したものをまとめて紹介いたします。

【英国】

(令和3年10月12日付)コロナ禍による外食産業などの業績悪化で砂糖税の税収が減少(英国)

 英国歳入関税庁(HMRC)は9月30日、2020/21会計年度(4月〜翌3月)の「糖類を含む飲料に対する課税(通称:砂糖税)」の税収が3億100万ポンド(463億5400万円:1ポンド=154円)(注1、2)となり、前年度から10.7%減少したと発表した(図)。同年度の砂糖税の納税義務者(注3)におけるHMRCへの債務(納税義務者の申告額)の推移を四半期別に見ると、1回目のロックダウン(2020年3月23日に開始、5月以降徐々に規制緩和)が実施された第1四半期が最も少なくなっている。HMRCでは、こうした税収減の要因の一つとして、外出制限といった新型コロナウイルス感染症(COVID–19)の感染拡大抑制策を挙げており、具体的には外食産業や観光業などでの業績悪化が考えられる。  

 なお、英国政府は2021年7月19日のイングランドを皮切りに、社会的距離の確保や集会人数制限、営業が認められていない店舗や施設などの閉鎖命令といった大半の規制を撤廃したほか、10月には入国規制の緩和を行うと表明するなど、外食産業などをめぐる状況の改善が進む中、今後の税収の動向が注目されている。

(注1)税収額は、暫定値。
(注2)為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。
(注3)糖類を含む飲料の製造業者や輸入業者。

 

 同国の砂糖税は、主に子どもの生活習慣病の予防や食習慣の改善への支援に必要な財源を確保するために2018年4月に導入された。課税対象となる品目は、100ミリリットル当たり5グラム以上の糖類を含む飲料となり、糖類含有量に応じて2種類の税率が設定されている(表)。HMRCは、2020/21年度の申告額のうち、96%強は同8グラム以上の糖類を含む飲料からのものであったとし、2018/19年度の94%、2019/20年度の95%からわずかに増加したとしている。

 

 なお、英国の調査会社であるLMC Internationalによると、砂糖税の導入後、大手飲料メーカーの主力看板商品の糖類含有量は維持されたものの、そのほかの多くの商品では、非課税となる同5グラム未満まで糖類含有量を削減したり、数種類の代替甘味料に置き換えたりするなどの対応が取られた。これらの動きから、英国では砂糖税の導入により、非主力商品においては、課税回避や消費者の健康志向への配慮から糖類削減や代替甘味料導入の動きが進んだ一方、従来からの定番商品の多くにおいては、風味への影響などの懸念から、糖類含有量が変更されなかったと想定される。

(参考)2017/18年度におけるEUの砂糖および異性化糖の生産割当廃止後の動向については、「砂糖類・でん粉情報」2020年10月号「生産割当廃止後のEUにおける砂糖および異性化糖産業の動向」(https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002302.html)を、また、砂糖税の導入をめぐる詳細な背景や狙いについては、2018年7月12日付海外情報「糖類を含む飲料に対する規制強化の動き(英国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002228.html)の記事を参照されたい。
 貿易本来の輸出入の相互バランスの回復も重要であるが、多数のコンテナが空の状態でアジア地域に返送されている。これによるコンテナ不足が米国産農畜産物の輸出を妨げ、港湾混雑の原因にもなっている。さらに輸出業者には、コンテナ利用に係る手数料の発生など不当な対応が求められてきた。このような不均衡は持続可能ではなく、利用可能な多数の空コンテナがあるにも関わらず、米国輸出業者のコンテナ利用の拒否などが行われることは受け入れ難いものである。これらが早急に解決されなければ、米国連邦海事委員会(FMC)によるさらなる調査と措置が必要になるだろう。 

 特に、(2)については、FMCの権限強化などを盛り込んだ米改正海運法案が2021年12月8日に米国下院を通過したこと(注)を背景として、海上輸送企業に通達したものと推察される。

(注)米改正海運法案については、2021年12月20日付海外情報「海上輸送の管理等強化を目的とした米改正海運法案が下院を通過(米国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003126.html)を参照されたい。

外国籍船舶によるオークランド港の抜港と寄港再開の流れ  
 2021年に入り、複数の外国籍船舶がロサンゼルス港およびロングビーチ港の港湾混雑を回避するため、オークランド港での船積みを決定した。しかし、労働力不足などの問題によって同港でも混雑が生じているとし、2021年6月以降、ドイツを拠点とするHapag–Lloyd社、フランスを拠点とするCMA CGM社、イスラエルを拠点とするZim社などが相次いで抜港を決定した。  

 一方で、オークランド港は同年10月、海上輸送企業に対して、同年8月以降、船舶の滞留は発生しておらず、港湾のコンテナ取扱量に余裕があるとして、米国西海岸のサプライチェーン停滞の緩和に向けて、同港に寄港するよう呼びかけた。同港の同年12月15日の発表によると、海上輸送企業が11月に入り、徐々に同港への寄港を再開したことにより、11月のコンテナ輸入量は前年同月比で約6.5%増加、2021年1月から11月までのコンテナ輸入量は前年同期比で約8.0%増加した(図)。
(国際調査グループ)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272