2. 国際価格の動向
最終更新日:2022年2月10日
2. 国際価格の動向
2022年2月
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(12/1〜1/14)
〜12月上旬に約5年ぶりの高値を付けるも、中旬以降は下落傾向で推移〜
ニューヨーク粗糖先物相場の2021年12月の推移を見ると(3月限)、2日以降は、原油価格の回復などに伴う上昇を続け、8日はレアル高(注1)も加わって1ポンド当たり19.82セント(注2)と約5年ぶりの高値を付けた。15日は、原油価格の下落(注3)やレアル安に引きずられて同19.29セントまで下落した。16日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)の発表した11月後半の砂糖生産量が、前年同期比で大幅な減少であったことを受けて、同19.40セントまで値を上げた。17日は、ブラジルのサトウキビ主産地での降雨がサトウキビの生育促進をもたらすとの見方から、同19.11セントまで値を下げた。20日は、原油価格の下落やレアル安に伴い、同18.59セントまで続落したものの、その後原油価格の回復を受けて上昇に転じ、22日は同19.26セントと19セント台まで値を戻した。23日以降はほぼ横ばいで推移したが、28日は、ドル高の影響を受けて同18.96セントまで下落した。30日は、年末の利食い売りの発生により、同18.78セントまで下落した。
2022年1月3日は、インド製糖協会(ISMA)が2021/22年度(10月〜翌9月)の12月末時点の生産実績が前年同期から増加すると発表したことを受け、同18.74セントまで下落した。5日以降は、ブラジルやインド、タイなどでの増産見込みから下落が続き、10日は同17.83セントまで値を下げた。11日以降は、原油価格やレアル相場の動きに合わせて推移し、14日は、同18.31セントまで値を戻した。
(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が低下する。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
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