4.日本の主要輸入先国の動向(2022年1月時点予測)
最終更新日:2022年2月10日
4.日本の主要輸入先国の動向(2022年1月時点予測)
2022年2月
近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14-110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14-200〉の合計)の主要輸入先国は、豪州およびタイで、2020年の主要輸入先国ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比5.2ポイント増)、タイが10.5%(同8.1ポイント減)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。
2021/22年度の砂糖生産量は、やや減少する見込み
2021/22年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比1.5%減)とわずかに減少すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3039万トン(同2.2%減)とわずかに減少すると見込まれる。
砂糖生産量は、COVID–19の拡大による都市封鎖や主力製糖工場での機械故障などによる稼働率の低下、収穫期終盤の豪雨による収穫作業の遅れなどが影響し、418万トン(同3.5%減)とやや減少すると見込まれる。輸出量は、依然とした期末在庫量の減少を背景に、310万トン(同7.6%減)と減少傾向が続くと見込まれている。
英国とのFTAに署名、豪砂糖業界は砂糖の関税割当枠の獲得を歓迎
豪州政府は2021年12月17日、英国との自由貿易協定(FTA)に署名し、同国の輸出業者、農家、労働者、消費者などが出来る限り速やかに同FTAの恩恵を受けられるよう、22年内の発効を目指して国内手続きを進めるとしている。なお、同FTAが発効すると、豪州産砂糖の関税が9年目に撤廃されることとなる(無関税の関税割当数量を初年に8万トン設定し、8年目に22万トンになるよう、均等に引き上げるもの)。
同国クイーンズランド州のサトウキビ生産者団体であるCANEGROWERSは署名のニュースを受けて、輸出志向型の豪州砂糖産業にとって重要とされる輸出先の多様化が同FTAによってもたらされ、生産者にとってもサトウキビ作付面積の拡大などの投資に取り組める環境になるとして、歓迎の意を示した。また、英国までの輸送コストは高いものの、英国の精製糖業者は高品質な豪州産粗糖を高く評価していると述べ、英国向け輸出への意欲を示した。
2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み
2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と前年並みで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、9250万トン(同38.8%増)と大幅に増加すると見込まれる。
砂糖生産量は、サトウキビ生産量の大幅な回復を受けて1086万トン(同38.2%増)と大幅に増加すると見込まれ、輸出量もサトウキビが記録的不作となった前年度からの反動を受けて、797万トン(同2.0倍)と大幅な回復が見込まれる。なお、期末在庫量は、増産見込みながらも、輸出量の大幅な回復から431万トンと前年度よりも減少し(同12.6%減)、期末在庫率も37.5%(同27.9ポイント減)と19/20年度の水準まで大幅に低下すると見込まれる。
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