イ 課題に対する取り組み
(ア)労働力確保への取り組み
前述の通り、建設会社で雇用する作業員をサトウキビ生産にも従事させることで年間作業員を確保し、繁忙期のオペレータ不足に対応している。
しかし、収穫期には従業員だけでなく、収穫補助員4、5人の短期雇用が必要となるため(写真1)、身内や知人を対象に募集をしているが、収穫期には新植作業あるいは他作物の収穫・選果作業などの時期が重なり、島内の労働力が不足するため、収穫補助員の確保が難しい。
収穫補助員が確保できなかった場合には、通常時にはハーベスター2台を稼働しているところ、1台しか稼働できないため、作業の進捗に遅れが生じてしまうという。
(イ)高単収となる生産技術の実施
植え替えをする際には、助成事業などを利用して、JA堆肥センターの堆肥の投入を行っており、一部の
圃場においては、畜産農家から調達した牛糞を投入している(写真2)。
さらに、土壌診断結果に基づいた石灰資材などの施用を行い、単収向上を図っている。
その他、収穫後にはスクープを利用して、ハカマなどのすき込みを行っており、土壌の踏圧改善と排水改善、地力低下防止を図っている。加えて、スクープは中耕ロータリーを使用するよりも作業時間が抑えられ、また、降雨後のロータリーが稼働できない土壌でも作業可能であることから、早期に株出し管理を行うことができるという利点がある。
(ウ)機械化一貫作業体系における生産費削減への対応
作業の効率化のため、植え付けから収穫まで表3の通り機械設備を確保している。防除機以外は、自己資金で中古機械を導入し、購入費用を抑えている。機械の修繕については、ハーベスター2台だけで150万円ほどの修繕費が掛かることもあるため、オイル交換や部品交換などのメンテナンスについては自主対応を心掛けている。
今後は機械の老朽化への対応や貸借により利用している機械もあるため、国の補助事業を活用してトラクター、耕起・心土破砕機を導入したいと考えている。
また、現在のところ、春植え時期は収穫や受託作業が重なり、調苗作業に時間を充てられず、植え付けが滞ってしまうことが課題となっている(写真3)。そのため、国のリース事業の利用によりビレットプランターを導入し、調苗作業も省略することで効率化を図りたいと考えている。