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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2022年3月10日

砂糖類の国内需給

2022年3月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和3年12月に「令和3砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した(詳細は2022年2月号参照)。

令和3砂糖年度の見通し

 表1

 表2

 表3

2. 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
12月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2021年12月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、10万4804トン(前年同月比23.7%減、前月比5.2%減)であった(図1)。

 輸入先国は甘しゃ糖・分みつ糖については輸入実績が無く、甘しゃ糖・その他については豪州で、国別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 豪州      10万4804トン
  (前年同月比23.7%減、前月比5.2%増)

図1

図2

 また、2021年1〜12月の甘しゃ糖・分みつ糖および甘しゃ糖・その他の輸入量は、95万5496トン(前年比7.0%減)であった(図3)。

 輸入先国は豪州、タイおよび米国の3カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。

 豪州        84万1289トン
  (前年比6.8%減)
 タイ        11万4145トン
  (同20.3%増)
 米国            62トン
  (同8.8%増)
 

 
 2021年12月の甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、6万4466円(前年同月比51.7%高、前月比6.8%高)であった(図5)。
 

図4

図5

【含みつ糖の輸入動向】
12月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2021年12月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、299トン(前年同月比33.8%減、前月比49.6%減)であった(図6)。

 輸入先国は中国、フィリピン、タイおよびブラジルの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

 中国           235トン
  (前年同月比8.3%増、前月比32.3%減)
 フィリピン        24トン
  (同78.0%減、同84.6%増)
 タイ                        21トン
  (前年同月同、前月同)
 ブラジル         19トン
  (前年同月輸入実績なし、前月比66.7%減)

図6

 図7

 また、2021年1〜12月の含みつ糖の輸入量は、7654トン(前年比4.0%増)であった(図8)。
 

 輸入先国は中国、タイ、フィリピン、ボリビアおよびブラジルなど9カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。

中国           3331トン   
 (前年比4.7%増)  
タイ            2728トン   
 (同9.0%減)  
フィリピン         940トン   
 (同28.9%増)  
ボリビア           509トン   
 (同69.7%増)  
ブラジル          76トン   
 (同20.0%減)  
コスタリカ         40トン   
 (同2.0倍)  
モーリシャス       20トン   
 (前年同)  
インド            9トン   
 (前年比3.0倍)  
パキスタン        1トン   
 (前年輸入実績なし)  

 2021年12月の1トン当たりの輸入価格は、13万5903円(前年同月比16.7%高、前月比4.5%安)であった(図9)。  

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。  
 
中国        11万9957円   
 (前年同月比8.8%高、前月比5.4%安)  
フィリピン     23万1167円   
 (同83.8%高、同0.1%安)  
タイ          10万857円   
 (同13.0%高、同0.4%高)  
ブラジル      23万9789円   
 (前年同月輸入実績なし、同0.6%安)

図9 

【加糖調製品の輸入動向】
12月の加糖調製品の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2021年12月の加糖調製品の輸入量は、3万4464トン(前年同月比17.7%減、前月比16.4%減)であった(図10)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 
 

 また、2021年1〜12月の加糖調製品の輸入量は、46万1905トン(前年比5.8%減)となった(図11)。

 品目別の輸入量は、表5の通りであった。

図11

表5

3.異性化糖の移出動向

1月の移出量は前年同月からわずかに増加
 2022年1月の異性化糖の移出量は、5万4246トン(前年同月比0.5%増、前月比6.4%減)であった(図12)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図13)。

 果糖含有率40%未満      356トン
  (前年同月比14.0%減、前月比17.4%減)
 同40%以上50%未満   1万4949トン
  (同1.0%減、同7.1%減)
 同50%以上60%未満   3万8664トン
  (同2.2%増、同5.8%減)
 同60%以上           276トン
  (同54.1%減、同25.3%減)

図12

図13

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖は前月から6円程度値上がり

 1月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京     1キログラム当たり198〜205円
大阪                   同198〜205円
名古屋                 同202〜208円
関門                   同202〜208円

上白糖(小袋)
東京         1キログラム当たり210〜219円
大阪                      同213〜219円

本グラニュー糖(大袋)
東京      1キログラム当たり203〜210円
大阪                  同203〜210円
名古屋                          同207〜213円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京      1キログラム当たり198〜205円
大阪                  同198〜205円
名古屋                   同200〜206円

 1月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの     1キログラム当たり146〜147円
果糖分55%もの                       同152〜153円

【小売価格】
1月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で43.5円

 KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、200.4円(前年同月差9.4円高、前月差1.3円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は43.5円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

 

表6

1月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で70.1円
 KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、252.9円(前年同月差9.9円高、前月差2.6円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は70.1円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

表7

1月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で59.3円
 KSP-POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、238.1円(前年同月差5.4円高、前月差3.1円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は59.3円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表8)。

表8

【購入金額および購入量】
12月の砂糖の支出金額は前年同月からやや下落

 総務省「家計調査」によると、2021年12月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は52、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は132円(前年同月比3.6%安、前月比36.1%高)であった(図14)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、565グラム(同3.9%増、同43.8%増)であった(図15)。

図14

図15

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272