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4.日本の主要輸入先国の動向(2022年4月時点予測)

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最終更新日:2022年5月10日

4.日本の主要輸入先国の動向(2022年4月時点予測)

2022年5月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14−200〉の合計)の主要輸入先国は、豪州およびタイで、2021年の主要輸入先国ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。

豪州

2022/23年度の砂糖生産量は、やや減少する見込み
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比0.9%減)とわずかに減少すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、2995万トン(同3.3%減)とやや減少すると見込まれる。

 砂糖生産量は、2月末から豪雨が続き、サトウキビの主産地であるクイーンズランド州およびニューサウスウェールズ州北部で深刻な洪水が発生し、サトウキビ圃場の一部で浸水被害が発生したことで、生育途中のサトウキビは今後の生育が大きく阻害されると予測され、413万トン(同3.3%減)とやや減少すると見込まれる。輸出量は、生産量の減少を受けて、318万トン(同4.5%減)とやや減少すると見込まれる。

表6 豪州の砂糖需給の推移

タイ

2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と横ばいで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、9200万トン(同38.0%増)と大幅に増加すると見込まれる。

 砂糖生産量は、可製糖率(CCS)の低さ(注1)や、グリーンハーベスト(注2)の普及を背景とした梢頭(しょうとう)部や葉などの混入が製糖効率を低下させているものの、前回予測から上方修正され、1078万トン(同35.3%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、サトウキビが記録的不作となった前年度からの反動を受けて、777万トン(同96.8%増)と前年比で倍増が見込まれる。なお、期末在庫量は、増産見込みながらも、輸出量の大幅な回復から457万トンと前年度よりも減少し(同9.4%減)、期末在庫率も40.4%(同26.4ポイント減)と19/20年度に近い水準にまで大幅に低下すると見込まれる。

(注1)CCSとは、サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。平年よりも降雨量が多いことが影響し、同年度の平均的なCCSは前年度より2%ほど低い12.6%で推移している。
(注2)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。


ASEAN諸国からベトナムへの砂糖輸出量が増加
 ベトナム砂糖サトウキビ協会(VSSA)は、貿易救済措置として、2020年にタイ産砂糖にアンチダンピング税および補助金相殺関税が課されて以来、同税の対象となるタイ産砂糖が、ASEAN5カ国(カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー)を経由してベトナム市場に流入していると発表した。現地税関のデータによると、2020年10月から2021年6月にかけてタイからの輸入砂糖は59万5000トンと、前年同期の95万5500トンから38%近く減少した。一方、同期間におけるASEAN5カ国からの砂糖輸入量は10万7600トンから52万7200トンと急増している。

 この状況を踏まえ、VSSAは国内砂糖メーカーと協力し、ベトナム産業貿易省に対し、タイ産砂糖に係る貿易救済措置の回避の実態について調査を依頼するとともに、ベトナム税関総局に対し、砂糖貿易を一層注意深く監視し、不正輸入を取り締まるよう要請した。

表7 タイの砂糖需給の推移

(参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

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