砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 4. 日本の主要輸入先の動向(2022年5月時点予測)

4. 日本の主要輸入先の動向(2022年5月時点予測)

印刷ページ

最終更新日:2022年6月10日

4. 日本の主要輸入先の動向(2022年5月時点予測)

2022年6月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイで、2021年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)となっており、2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。
15
2022/23年度の砂糖生産量は、わずかに増加する見込み
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比0.9%減)とわずかに減少すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、2990万トン(同0.7%減)とわずかに減少すると見込まれる。
17
 砂糖生産量は、2022年初めの降雨量が多く、サトウキビの品質向上が見込まれることから、前月予測から上方修正され、419万トン(同0.8%増)とわずかな増加が見込まれる。輸出量は、在庫の維持を前提に、318万トン(同4.5%減)とやや減少すると見込まれる。
連邦政府、業界による輸出促進戦略への支援を決定
 豪州砂糖製造業者協議会(ASMC)とサトウキビ生産者団体CANEGROWERSは4月29日、砂糖の輸出促進に向けた5カ年戦略の第1フェーズを連邦政府が支援すると決定したことを歓迎した。この戦略は砂糖産業関係者が数年にわたって分析や議論を行って策定したもので、次の五つの目的が掲げられている。

(1)貿易へゆがみをもたらす国内価格の支持政策や輸出補助金のない、より公平な国際市場の実現
(2)最も収益性の高い海外の市場に照準を合わせることによる、輸出利益の最大化
(3)成長が見込まれる新たな輸出先の開拓
(4)輸出の妨げとなる技術的な障壁への対処
(5)海外顧客の環境的要件に対する理解

 同国の砂糖産業は、収入の大部分を粗糖輸出から得ているため、貿易政策と市場アクセスの改善への取り組みは依然として業界の優先事項であり、この戦略が成功すれば輸出先の多様化や業界の収益増加につながると両団体は述べている。なお、今期の取り組みにおいては、世界貿易機関(WTO)でのインドに対する裁定(注)や日本への輸出手続の改善などにも関連する内容であるとしている。

(注)詳細は、2022年1月13日付け海外情報「WTO紛争解決委、インドの砂糖政策を協定違反と裁定」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003153.html)を参照されたい。
17
2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と横ばいで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中、主産地の降雨量が平年並みまで回復し、単収が大きく改善することで、9200万トン(同38.0%増)と大幅に増加すると見込まれる。

 砂糖生産量は、可製糖率(CCS)の低さ(注1)や、グリーンハーベスト(注2)の普及を背景とした(しょう)(とう部や葉などの混入が製糖効率を低下させているものの、1066万トン(同33.8%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、サトウキビが記録的不作となった前年度からの反動を受けて、765万トン(同93.7%増)と前年比で倍増が見込まれる。なお、期末在庫量は、増産見込みながらも、輸出量の大幅な回復から457万トンと前年度よりも減少し(同9.4%減)、期末在庫率も40.9%(同26.0ポイント減)と19/20年度に近い水準にまで大幅に低下すると見込まれる。

(注1)CCSとは、サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。平年よりも降雨量が多いことが影響し、同年度の平均的なCCSは前年度よりわずかに低い12.7%となった。
(注2)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。
18
18
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8678