3. 国際価格の動向
最終更新日:2022年7月11日
3. 国際価格の動向
2022年7月
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(5/2〜6/10)
〜5月中旬に急上昇し20セント台に乗せるも、月末から6月上旬にかけては下落傾向〜
ニューヨーク粗糖先物相場の2022年5月の推移を見ると(7月限)、2日は、レアル安(注1)を背景に1ポンド当たり18.85セント(注2)を付けた。3日以降は、原油相場の動きに追随する形となり(注3)、6日は、同19.16セントまで上昇したが、9日は、同18.66セントまで下落した。10日は、22/23年度の世界の砂糖供給量が消費量を400万トン上回ると大手金融企業が予測したことで、同18.54セントまで下落した。13日は、原油価格の上昇を受けて、同19.17セントまで急上昇した。16日は、ブラジルの砂糖生産地に霜が降る恐れがあると予報されたことで同19.68セントまで上昇し、17日は、同20.00セントまで続伸した。19日は、インド製糖協会(ISMA)が同国の5月15日時点の砂糖生産実績を前年同期比増と公表したことや、ブラジルの霜害リスクが低下したことを受けて、同19.77セントまで値を下げた。その後は小幅な値動きで推移し、27日は、レアル高により同19.61セントとやや上昇したが、31日は、原油価格の下落に伴い、同19.40セントまで値を下げた。
6月1日は、原油価格の上昇を背景に同19.44セントとわずかに値を上げた。6日は、ガソリンの先物市場が高値を記録したことを受けて、同19.56セントまで上昇した。7日は、レアル安により同18.97セントまで下落した。9日は、ガソリン価格の上昇を背景に、同19.29セントまで値を戻した。10日は、米国の5月の経済指標(消費者物価指数)が上昇して40年ぶりの記録的な水準となり、米国と世界経済に対する懸念が高まったことなどから、同18.87セントまで下落した。
(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注3)原油価格と粗糖価格は、連動する傾向にある(例えば、原油価格が下落すると、石油の代替性を有するバイオエタノールの価格も下落するため、バイオエタノールの原料となるサトウキビを砂糖へ仕向ける割合が高まると想定される)。
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