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4. 日本の主要輸入先の動向(2022年7月時点予測)

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最終更新日:2022年8月10日

4. 日本の主要輸入先の動向(2022年7月時点予測)

2022年8月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2021年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)と、これら2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。
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2022/23年度の砂糖輸出量は、かなり大きく減少する見込み
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、34万ヘクタール(前年度同)と前年度並みと見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、夏の終わりから秋にかけて主産地であるクイーンズランド(QLD)州での降雨が予想されることから、3116万トン(前年度比3.5%増)とやや増加すると見込まれる。

 砂糖生産量は、前月予測から下方修正され、410万トン(同0.5%減)とわずかな減少が見込まれる。輸出量は、2021/22年度の推定値が前月予測から上方修正されたことから309万トン(同15.9%減)とかなり大きく減少すると見込まれる。

砂糖関連団体、バイオ市場への参入推進計画を策定(豪州)
 豪州砂糖研究センター(SRA)(注1)は7月6日、サトウキビ産業における砂糖生産以外での収益化推進に向け、砂糖関連団体がバイオエタノールやプラスチックなどのバイオ関連市場への参入推進計画を策定したと発表した。

 「シュガー・プラス」と名付けられた本計画には、将来的な構想や目標達成に至る工程などが具体的に記され、QLD州や地元研究機関の支援のもと、SRAやサトウキビ生産者団体Canegrowersなどの業界関係団体によって策定されたものである。今後、豪州の砂糖業界全体が、取り組む計画の一つと位置付けられている(注2)。

 
QLD州は、同国サトウキビの95%を生産しており、年間産出額は約40億豪ドル(3836億円:1豪ドル=95.90円(注3))で、同州および隣接するニューサウスウェールズ州北部を含む2万3000人の雇用を支えている。QLD州農業水産大臣は、今後、本計画は同州の経済発展を支える砂糖産業の重要な役割を担うと発言しており、同州政府はこの業界主導の取り組みの発展と構想実現に向け支援していくと述べた。

(注1)サトウキビ生産者、製糖企業、連邦政府およびQLD州政府の拠出基金によって、サトウキビおよび砂糖の生産性の向上のための技術研究を行う非営利組織。
(注2)豪州製糖業者は、持続可能な手法による供給体制の確保に向けた方針を公表している。詳細は、2021年11月17日付け海外情報(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003095.html)を参照されたい。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の6月末TTS相場である1豪ドル=95.90円を使用。
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2021/22年度の輸出量は、前年度から大幅に回復する見込み
 2021/22年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、149万ヘクタール(前年度比0.2%増)と前年並みで推移すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、前年度が干ばつの影響を大きく受けた中で、主産地の降雨量が平年を上回り、単収が大きく改善することで9207万トン(同38.1%増)と大幅に増加すると見込まれる。
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 砂糖生産量は、グリーンハーベスト(注)の普及を背景とした(しょう)(とう部や葉などの混入が製糖効率を低下させるものの、1070万トン(同34.3%増)と大幅な増加が見込まれる。輸出量は、サトウキビが記録的不作となった前年度からの反動を受けて773万トン(同95.6%増)と前年比で倍増が見込まれる。

(注)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。従来、同国ではサトウキビを燃やした後に収穫するのが一般的であったが、大気汚染を引き起こすとの批判が国内で高まったため、近年はグリーンハーベストが推進されている。
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