砂糖類の国内需給
最終更新日:2022年9月12日
砂糖類の国内需給
2022年9月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和4年6月に「令和3砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(
詳細は2022年8月号参照)。
2.輸入動向
【粗糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2022年6月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、7万3571トン(前年同月比45.2%減、前月比13.7%減)であった(図1)。
輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。
タイ 8997トン
(前年同月比63.9%減、前月輸入実績なし)
豪州 6万4574トン
(同40.9%減、前月比24.3%減)
2022年6月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、7万3703円(前年同月比38.2%高、前月輸入実績なし)であった(図3)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 7万3703円
(前年同月比38.2%高、前月輸入実績なし)
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、6万9966円(前年同月比34.5%高、前月比1.9%安)であった(図4)。
【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2022年6月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、275トン(前年同月比45.4%減、前月比60.0%減)であった(図5)。
輸入先は中国、フィリピン、インドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。
中国 269トン
(前年同月比25.7%減、前月比47.2%減)
フィリピン 5トン
(同93.7%減、同90.9%減)
インド 1トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
2022年6月の1トン当たりの輸入価格は、16万2255円(前年同月比32.0%高、前月比8.6%高)であった(図7)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
中国 16万286円
(前年同月比24.2%高、前月比6.2%高)
フィリピン 24万5200円
(同2.0倍、同51.6%高)
インド 27万7000円
(前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
6月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに減少
財務省「貿易統計」によると、2022年6月の加糖調製品の輸入量は、3万8735トン(前年同月比2.0%減、前月比6.4%減)であった(図8)。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3.異性化糖の移出動向
7月の移出量は前年同月並みで推移
2022年7月の異性化糖の移出量は、8万6102トン(前年同月同、前月比6.5%増)であった(図9)。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。
果糖含有率40%未満 345トン
(前年同月比17.1%減、前月比10.4%減)
同40%以上50%未満 1万9423トン
(同2.4%減、同2.6%減)
同50%以上60%未満 6万5562トン
(同0.6%増、同9.9%増)
同60%以上 773トン
(同30.5%増、同6.6%減)
4.価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
7月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり204〜205円
大阪 同204〜205円
名古屋 同208円
関門 同208円
上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり216〜219円
大阪 同219円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり209〜210円
大阪 同209〜210円
名古屋 同213円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり204〜205円
大阪 同204〜205円
名古屋 同206円
7月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの 1キログラム当たり146〜147円
果糖分55%もの 同152〜153円
【小売価格】
7月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で23.9円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける7月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、213.3円(前年同月差15.1円高、前月差0.4円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった首都圏との価格差は23.9円であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
7月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で71.9円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける7月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、260.0円(前年同月差11.9円高、前月差0.7円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は71.9円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
7月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で49.6円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける7月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、246.2円(前年同月差11.5円高、前月差0.4円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった首都圏との価格差は49.6円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
【支出金額および購入数量】
6月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに低下
総務省「家計調査」によると、2022年6月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は42、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は138円(前年同月比1.4%安、前月比35.3%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、456グラム(同1.3%減、同31.0%増)であった(図12)。
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