2022/23年度の砂糖生産量はやや、輸出量は大幅に減少する見込み
2022/23年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、前年が豊作だったことを受け、さらなる拡大が予測され、541万ヘクタール(前年度比4.6%増)とやや増加すると見込まれる(表3)。最大生産地ウッタル・プラデーシュ州での雨量が平年を大きく下回っているものの、主産地のマハラシュトラ州やカルナータカ州で、雨季の降水量が平年を大きく上回っており、サトウキビ生産量は4億5951万トン(同3.3%増)とやや増加すると見込まれる。砂糖生産量は、3746万トン(同3.0%減)とやや減少すると見込まれ、TRSの減少による減産が見込まれる。輸出はここ数カ月で減速しており、2022/23年度の輸出政策が確定されていないものの、初期に輸出許可される枠は400万〜600万トンと予測されることから、輸出量は800万トン(同34.6%減)と大幅に減少すると見込まれる。
2022/23年度の砂糖輸出枠は2回に分けて許可する可能性
9月1日付けの現地報道によると、2022/23年度に向けて砂糖輸出枠を2回に分けて許可する予定だと、政府や業界関係者が語った。同国政府は、当期の段階で400万〜500万トンの輸出枠を許可し、残りの輸出枠は後日、許可する可能性が高いとされ、10月から始まる翌年度の砂糖輸出量は700万〜800万トンに達すると見込まれている。
同国では、近年の物価水準の高騰を抑制するため、21/22年度の砂糖輸出量を1120万トンに制限
(注)しており、国際相場は高騰したものの、国内価格の安定化を図っていた。
サトウキビの豊作が見込まれる今年度2回目の輸出枠の規模は、砂糖生産量と国内価格によって変動するとみられる。砂糖の国内価格を維持するためには余剰在庫の輸出が必要だが、過度の輸出は国内価格を上昇させる可能性がある。このため、政府は生産者と消費者双方の利益の微妙なバランスを維持しなければならず、難しい対応を迫られる。
(注)当初の1000万トンの制限を1120万トンまで上限を拡大した。詳細は、2022年8月19日付け海外情報「砂糖輸出制限を緩和し、120万トンの追加輸出を許可(インド)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003336.html)を参照されたい。