砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖・異性化糖の国内需給 > 砂糖類の国内需給

砂糖類の国内需給

印刷ページ

最終更新日:2022年10月11日

砂糖類の国内需給

2022年10月

調査情報部

1. 需給見通し

農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和4年6月に「令和3砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は2022年8月号参照)。

1

2

3

3

2.輸入動向

【粗糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2022年7月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、10万7436トン(前年同月比43.9%増、前月比46.0%増)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイおよび米国、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

タイ      1万650トン
 (前年同月比18.5%増、前月比18.4%増)
米国       19トン
 (前年同月同、前月輸入実績なし)
豪州    9万6767トン
 (前年同月比47.3%増、前月比49.9%増)
 

5

2

 2022年7月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、7万4267円(前年同月比32.3%高、前月比0.8%高)であった(図3)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ     7万4038円
 (前年同月比32.2%高、前月比0.5%高)
米国     20万2263円
 (同71.7%高、前月輸入実績なし)

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、7万3675円(前年同月比36.8%高、前月比5.3%高)であった(図4)。

4

5

【含みつ糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2022年7月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、419トン(前年同月比73.9%増、前月比52.4%増)であった(図5)。
 
 輸入先は中国、フィリピンおよびタイで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

中国     228トン
(前年同月比7.0%増、前月比15.2%減)
フィリピン  107トン
(同4.0倍、同21.4倍)
タイ       84トン
(前年同月および前月輸入実績なし)

7

7

 2022年7月の1トン当たりの輸入価格は、15万6785円(前年同月比17.9%高、前月比3.4%安)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国      16万4500円
 (前年同月比36.4%高、前月比2.6%高)
フィリピン   18万168円
 (同19.0%安、同26.5%安)
タイ       10万3333円
 (前年同月および前月輸入実績なし)

8

【加糖調製品の輸入動向】
7月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度増加

 財務省「貿易統計」によると、2022年7月の加糖調製品の輸入量は、4万324トン(前年同月比8.4%増、前月比4.1%増)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。
 

9

1

3.異性化糖の移出動向

8月の移出量は前年同月からわずかに減少
 2022年8月の異性化糖の移出量は、6万9067トン(前年同月比0.5%減、前月比19.8%減)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

果糖含有率40%未満     312トン
 (前年同月比14.3%減、前月比9.5%減)
同40%以上50%未満    1万8027トン
 (同6.3%増、同7.2%減)
同50%以上60%未満    5万180トン
 (同2.8%減、同23.5%減)
同60%以上          548トン
 (同14.0%増、同29.1%減)
 

2

3

4.価格動向

【市場価格】
砂糖は前月から12円程度値上がり
 8月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。
 
上白糖(大袋)
東京    1キログラム当たり204〜217円
大阪              同204〜217円
名古屋                         同208〜220円
関門              同208〜220円
 
上白糖(小袋)
東京    1キログラム当たり229〜230円
大阪                   同231円
 
本グラニュー糖(大袋)
東京    1キログラム当たり209〜222円
大阪               同209〜222円
名古屋             同213〜225円
 
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京    1キログラム当たり204〜217円
大阪               同204〜217円
名古屋             同206〜218円
 
 8月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
 
果糖分42%もの
         1キログラム当たり146〜147円
果糖分55%もの         同152〜153円

【小売価格】
8月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で24.8円

 マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける8月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、213.8円(前年同月差14.9円高、前月差0.5円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関西との価格差は24.8円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

5

8月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で70.9円
 マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける8月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、260.5円(前年同月差12.3円高、前月差0.5円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は70.9円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

6

8月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で47.5円
 マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける8月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、247.4円(前年同月差13.0円高、前月差1.2円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は47.5円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

7

【支出金額および購入数量】
7月の砂糖の支出金額は前年同月からやや上昇

 総務省「家計調査」によると、2022年7月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は33、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は91円(前年同月比3.4%高、前月比34.1%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、339グラム(同2.1%増、同25.7%減)であった(図12)。

6

7

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272