2022/23年度の砂糖生産量はわずかに増加し、輸入量はかなりの程度減少する見込み
2022/23年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、112万ヘクタール(前年度同)と前年度並みと見込まれる(表4)。サトウキビ生産量は、主産地の広西チワン族自治区の一部を除き熱波の影響を受けていないため、7176万トン(前年度比0.5%減)とわずかな減少にとどまると予想される。一方で、同年度のてん菜の収穫面積は、トウモロコシ価格の高騰を背景に政府が3月に穀物の増産を呼びかけたことから、トウモロコシへの転作が増加し、13万ヘクタール(同10.0%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。てん菜生産量は、生育は順調であるものの、収穫面積の減少により674万トン(同4.7%減)とやや減少すると見込まれる。
砂糖生産量は、サトウキビ主産地の広西チワン族自治区で8月中旬から高温や乾燥が続いていたが、これまでの降水量が平年よりかなり多く、順調に生育していることから、1053万トン(同1.9%増)とわずかに増加すると見込まれる。輸入量は、2020年に引き続き21年も国内生産の不足分を上回る量が輸入され、国内在庫が積み増しされたことから656万トン(同6.1%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。
2023年度の砂糖輸入割当量は195万トンに据え置き
中国商務省は、2023年度の砂糖輸入関税割当に関する規則を9月29日付けで公表し、2023年度の砂糖輸入関税割当は、前年度と変わらず194万5000トンに設定された。同国では、輸入糖について関税割当を設けており、関税割当枠分には15%の関税が課せられるのに対し、関税割当枠外は50%と3倍以上の税率となっている。なお、同省によると、関税割当枠分の7割が国有企業に割り振られるとしている。
このような中で、輸入量で世界第2位の同国では砂糖などの密輸が問題となっている。海関総署(日本の税関に相当する組織)によると、密輸に対する取り締まりを強化し、密輸関連犯罪から国家の安全と国民の利益を保護するために、警察などの関係機関と協力し、「百日作戦」と名付けた集中取締運動を徹底的に実行するとしている。