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砂糖類の国内需給
最終更新日：2022年11月10日
砂糖類の国内需給
2022年11月
調査情報部
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」（昭和40年法律第109号）により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和4年9月に「令和4砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し（第1回）」を公表した。
（1）砂糖の消費量
令和3砂糖年度（10月〜翌9月。以下同じ）の砂糖の消費量は、177万7000トン（前年度比1.8％増）と見込んでいる（表1）。内訳を見ると、分みつ糖の消費量が174万3000トン（同1.9％増）、含みつ糖の消費量が3万4000トン（同2.9％減）の見込みである。
4砂糖年度の砂糖の消費量は、178万5000トン（前年度比0.5％増）と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の消費量は、引き続き新型コロナウイルス感染症（COVID-19）への警戒感や物価高の影響などは見込まれるものの、直近の消費量は前年同期を上回って推移するとともに、人流増に伴う経済活動の回復が想定されることから、175万トン（同0.4％増）、含みつ糖の消費量は、近年の消費動向などを勘案し、3万5000トン（同2.9％増）と見通している。
4砂糖年度の砂糖の消費量は、178万5000トン（前年度比0.5％増）と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の消費量は、引き続き新型コロナウイルス感染症（COVID-19）への警戒感や物価高の影響などは見込まれるものの、直近の消費量は前年同期を上回って推移するとともに、人流増に伴う経済活動の回復が想定されることから、175万トン（同0.4％増）、含みつ糖の消費量は、近年の消費動向などを勘案し、3万5000トン（同2.9％増）と見通している。
（2）砂糖の供給量
令和3砂糖年度の砂糖の供給量は、174万8000トン（前年度比3.7％減）と見込んでいる。内訳を見ると、分みつ糖が173万3000トン（同3.7％減）、含みつ糖が1万6000トン（同11.1％減）の見込みである。
令和4砂糖年度の砂糖の供給量は、179万2000トン（前年度比2.5％増）と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は177万5000トン（同2.4％増）、含みつ糖は1万7000トン（同6.3％増）と見通している。国内産糖（分みつ糖）の供給量は、てん菜糖については、てん菜の作付面積が前年産と比べ4.0％（約2327ヘクタール）減少し、作柄については、一部の地域で5月中旬までの少雨などの影響が見られるものの、全体で見ると生育は平年並みに進んでいる。また、8月の降水量が平年よりもかなり多く、排水条件が良くない圃場を中心に湿害が懸念される。なお、産糖量は60万7000トン（前年産比5.2％減）、供給量は60万6000トン（精製糖換算〈以下同じ〉前年度比5.2％減）と見通している。甘しゃ糖については、サトウキビの作付面積が前年産に比べ0.5％（約123ヘクタール）減少し、作柄についても、一部の島において、春先の長雨や梅雨明け後の干ばつのほか、8月末から9月上旬の台風の影響が懸念されているが、全体としては、おおむね平年並みと見込んでいる。産糖量は14万2000トン（前年産比6.3％減）、供給量は13万5000トン（前年度比6.3％減）と見通している。
令和4砂糖年度の砂糖の供給量は、179万2000トン（前年度比2.5％増）と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は177万5000トン（同2.4％増）、含みつ糖は1万7000トン（同6.3％増）と見通している。国内産糖（分みつ糖）の供給量は、てん菜糖については、てん菜の作付面積が前年産と比べ4.0％（約2327ヘクタール）減少し、作柄については、一部の地域で5月中旬までの少雨などの影響が見られるものの、全体で見ると生育は平年並みに進んでいる。また、8月の降水量が平年よりもかなり多く、排水条件が良くない圃場を中心に湿害が懸念される。なお、産糖量は60万7000トン（前年産比5.2％減）、供給量は60万6000トン（精製糖換算〈以下同じ〉前年度比5.2％減）と見通している。甘しゃ糖については、サトウキビの作付面積が前年産に比べ0.5％（約123ヘクタール）減少し、作柄についても、一部の島において、春先の長雨や梅雨明け後の干ばつのほか、8月末から9月上旬の台風の影響が懸念されているが、全体としては、おおむね平年並みと見込んでいる。産糖量は14万2000トン（前年産比6.3％減）、供給量は13万5000トン（前年度比6.3％減）と見通している。
（3）加糖調製品の需給
令和4砂糖年度の加糖調製品の消費量は、COVID–19への警戒感や物価高の影響などにより、直近では需要が減少しているものの、人流増に伴う経済活動の回復が想定されることから、45万8000トン（前年度同）と見通している（表2）。また、供給量は消費量に見合った量が供給されると見通している。
（4）異性化糖の需給
令和4砂糖年度の異性化糖の消費量は、COVID-19の影響が一部見込まれるものの、経済活動の回復に伴い緩やかに需要が増加すると見込まれ、近年の消費動向を踏まえ、77万7000トン（前年度比1.7%増）と見通している（表3）。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
2．輸入動向
【粗糖の輸入動向】
8月の輸入量は前年同月からやや減少
財務省「貿易統計」によると、2022年8月の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード 1701.14-110）および甘しゃ糖・その他（同1701.14-200の豪州）の輸入量は、8万1016トン（前年同月比4.5％減、前月比24.6％減）であった（図1）。
輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図2）。
タイ 3万3520トン
（前年同月輸入実績なし、前月比3.1倍）
豪州 4万7496トン
（前年同月比44.0％減、同50.9％減）
8月の輸入量は前年同月からやや減少
財務省「貿易統計」によると、2022年8月の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード 1701.14-110）および甘しゃ糖・その他（同1701.14-200の豪州）の輸入量は、8万1016トン（前年同月比4.5％減、前月比24.6％減）であった（図1）。
輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図2）。
タイ 3万3520トン
（前年同月輸入実績なし、前月比3.1倍）
豪州 4万7496トン
（前年同月比44.0％減、同50.9％減）
2022年8月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、7万9383円(前年同月輸入実績なし、前月比6.9％高)であった（図3）。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 7万9383円
（前年同月輸入実績なし、前月比7.2％高）
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、7万4517円（前年同月比35.1％高、前月比0.8％高）であった（図4）。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 7万9383円
（前年同月輸入実績なし、前月比7.2％高）
また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、7万4517円（前年同月比35.1％高、前月比0.8％高）であった（図4）。
【含みつ糖の輸入動向】
8月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2022年8月の含みつ糖（HSコード 1701.13-000、1701.14-190）の輸入量は、313トン（前年同月比11.1％減、前月比25.3％減）であった（図5）。
輸入先はフィリピンおよび中国で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図6）。
フィリピン 180トン
（前年同月比32.4％増、前月比68.2％増）
中国 133トン
（同31.4％減、同41.7％減）
2022年8月の1トン当たりの輸入価格は、17万4946円（前年同月比38.9％高、前月比11.6％高）であった（図7）。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
フィリピン 18万1906円
（前年同月比40.5％高、前月比1.0％高）
中国 16万5526円
（同33.5％高、同0.6％高）
8月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2022年8月の含みつ糖（HSコード 1701.13-000、1701.14-190）の輸入量は、313トン（前年同月比11.1％減、前月比25.3％減）であった（図5）。
輸入先はフィリピンおよび中国で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図6）。
フィリピン 180トン
（前年同月比32.4％増、前月比68.2％増）
中国 133トン
（同31.4％減、同41.7％減）
2022年8月の1トン当たりの輸入価格は、17万4946円（前年同月比38.9％高、前月比11.6％高）であった（図7）。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
フィリピン 18万1906円
（前年同月比40.5％高、前月比1.0％高）
中国 16万5526円
（同33.5％高、同0.6％高）
【加糖調製品の輸入動向】
8月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに増加
財務省「貿易統計」によると、2022年8月の加糖調製品の輸入量は、3万7854トン（前年同月比2.8％減、前月比6.1％減）であった（図8）。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
8月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに増加
財務省「貿易統計」によると、2022年8月の加糖調製品の輸入量は、3万7854トン（前年同月比2.8％減、前月比6.1％減）であった（図8）。
品目別の輸入量は、表4の通りであった。
3．異性化糖の移出動向
9月の移出量は前年同月からかなりの程度増加
2022年9月の異性化糖の移出量は、5万8377トン（前年同月比7.3％増、前月比15.5％減）であった（図9）。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった（図10）。
果糖含有率40％未満 361トン
（前年同月比1.9％減、前月比15.7％増）
同40％以上50％未満 1万5988トン
（同0.6％増、同11.3％減）
同50％以上60％未満 4万1582トン
（同10.1％増、同17.1％減）
同60％以上 446トン
（同23.6％増、同18.6％減）
2022年9月の異性化糖の移出量は、5万8377トン（前年同月比7.3％増、前月比15.5％減）であった（図9）。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった（図10）。
果糖含有率40％未満 361トン
（前年同月比1.9％減、前月比15.7％増）
同40％以上50％未満 1万5988トン
（同0.6％増、同11.3％減）
同50％以上60％未満 4万1582トン
（同10.1％増、同17.1％減）
同60％以上 446トン
（同23.6％増、同18.6％減）
4．価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
9月の糖種別・地域別の砂糖価格（日経相場）は、次の通りであった。
上白糖（大袋）
東京 1キログラム当たり216〜217円
大阪 同216〜217円
名古屋 同220円
関門 同220円
上白糖（小袋）
東京 1キログラム当たり229〜230円
大阪 同231円
本グラニュー糖（大袋）
東京 1キログラム当たり209〜222円
大阪 同209〜222円
名古屋 同213〜225円
ビート・グラニュー糖（大袋）
東京 1キログラム当たり216〜217円
大阪 同216〜217円
名古屋 同218円
9月の異性化糖の価格（日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25％）は、次の通りであった。
果糖分42％もの
1キログラム当たり146〜147円
果糖分55％もの 同152〜153円
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
9月の糖種別・地域別の砂糖価格（日経相場）は、次の通りであった。
上白糖（大袋）
東京 1キログラム当たり216〜217円
大阪 同216〜217円
名古屋 同220円
関門 同220円
上白糖（小袋）
東京 1キログラム当たり229〜230円
大阪 同231円
本グラニュー糖（大袋）
東京 1キログラム当たり209〜222円
大阪 同209〜222円
名古屋 同213〜225円
ビート・グラニュー糖（大袋）
東京 1キログラム当たり216〜217円
大阪 同216〜217円
名古屋 同218円
9月の異性化糖の価格（日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25％）は、次の通りであった。
果糖分42％もの
1キログラム当たり146〜147円
果糖分55％もの 同152〜153円
【小売価格】
9月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で30.1円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国1243店舗）によると、スーパーにおける9月の上白糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、221.4円（前年同月差20.4円高、前月差7.6円高）であった。最も高かったのは九州・沖縄で、最も安かった関西との価格差は30.1円であった。
同月の地域別（注）の平均小売価格は、次の通りであった（表5）。
（注）地域の内訳は、次の通りである（以下同じ）。
関東など：茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏：東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部：新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
9月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で30.1円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国1243店舗）によると、スーパーにおける9月の上白糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、221.4円（前年同月差20.4円高、前月差7.6円高）であった。最も高かったのは九州・沖縄で、最も安かった関西との価格差は30.1円であった。
同月の地域別（注）の平均小売価格は、次の通りであった（表5）。
（注）地域の内訳は、次の通りである（以下同じ）。
関東など：茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏：東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部：新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
9月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.9円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国1243店舗）によると、スーパーにおける9月のグラニュー糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、265.8円（前年同月差17.2円高、前月差5.3円高）であった。最も高かったのは関東で、最も安かった北海道との価格差は72.9円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表6）。
マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国1243店舗）によると、スーパーにおける9月のグラニュー糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、265.8円（前年同月差17.2円高、前月差5.3円高）であった。最も高かったのは関東で、最も安かった北海道との価格差は72.9円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表6）。
9月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で51.3円
マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国1243店舗）によると、スーパーにおける9月の三温糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、253.3円（前年同月差16.3円高、前月差5.9円高）であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は51.3円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表7）。
マーチャンダイジング・オンRDSPOS（全国1243店舗）によると、スーパーにおける9月の三温糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、253.3円（前年同月差16.3円高、前月差5.9円高）であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は51.3円であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表7）。
【支出金額および購入数量】
8月の砂糖の支出金額は前年同月からかなりの程度下落
総務省「家計調査」によると、2022年8月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は28、1世帯（二人以上）当たりの支出金額は74円（前年同月比7.5％安、前月比18.7％安）であった（図11）。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、294グラム（同11.2％減、同13.3％減）であった（図12）。
8月の砂糖の支出金額は前年同月からかなりの程度下落
総務省「家計調査」によると、2022年8月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は28、1世帯（二人以上）当たりの支出金額は74円（前年同月比7.5％安、前月比18.7％安）であった（図11）。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、294グラム（同11.2％減、同13.3％減）であった（図12）。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 （担当：企画情報グループ）
Tel:03-3583-9272
農畜産業振興機構 調査情報部 （担当：企画情報グループ）
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