近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2021年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が86.6%(前年比0.03ポイント増)、タイが13.4%(同2.9ポイント増)と、これら2カ国でほとんどを占めている(財務省「貿易統計」)。
2022/23年度の砂糖輸出量は、大幅に減少する見込み
2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比2.3%増)とわずかに増加すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3月と7月に主産地クイーンズランド州で洪水をもたらした降雨が収量には良い影響を与え、前年より良好な生育が予想されることから、3100万トン(同2.9%増)とわずかに増加すると予想される。
砂糖生産量は、ラニーニャ現象による悪天候の影響で収穫作業が進まず、多くの製糖工場で処理作業が前年同期と比較して遅れており、また、CCS
(注)が低下したことから、407万トン(同1.3%減)とわずかに減少すると見込まれる。また、輸出量は、前年度は期末在庫の調整などを背景に輸出が拡大したものの、今年度は近時と同等の輸出量に落ち着くものとの予測から、305万トン(同17.6%減)と大幅に減少すると予想される。
(注) 可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。