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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2022年12月9日

砂糖類の国内需給

2022年12月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和4年9月に「令和4砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した(詳細は2022年11月号参照)。

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2.てん菜の生産見込み(令和4年産)

作付面積が前年産からやや減少したことで、生産量もかなりの程度下回る見込み
 北海道農政部生産振興局農産振興課は、令和4年10月5日に「令和4年産てん菜の生産見込数量(令和4年8月20日現在)」を公表した。

 令和4年産の作付面積は、5万5182ヘクタール(前年産比4.0%減)と、前年産に比べて2327ヘクタール減少した(表4)。地域別に見ると、十勝地域が2万4296ヘクタール(同4.1%減)、オホーツク地域が2万2492ヘクタール(同3.3%減)、道央地域4177ヘクタール(同6.5%減)、道南地域4217ヘクタール(同4.8%減)とすべての地域で前年産を下回った。

 令和4年産の1ヘクタール当たりの収量は、太平洋側など一部生産地域において、夏季の多雨により、病気や湿害が発生したことから、66.7トン(同5.5%減)と、前年産および直近7カ年の平均単収(注)(67.3トン)を下回る見込みである。そのため、令和4年産のてん菜生産量も、368万1000トン(同9.4%減)を見込んでいる。

 なお、糖分は、現在のところ令和3年産(16.2%)と同水準となる見込みである。

 製糖工場では、例年通り10月上旬ごろから操業を開始したが、引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に細心の注意を払いながらの操業となり、安定稼働に向けて各工場が徹底した感染症対策を実施するなどして生産管理体制を整えている。

(注)直近7カ年(平成27年〈2015年〉〜令和3年〈2021年〉)の1ヘクタール当たりの収量のうち最高、最低を除く5カ年分の平均。
 

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3.輸入動向

【粗糖の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からかなりの程度減少

 財務省「貿易統計」によると、2022年9月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、11万8820トン(前年同月比8.6%減、前月比46.7%増)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖については輸入実績が無く、甘しゃ糖・その他については豪州で、輸入量は次の通りであった(図2)。

豪州         11万8820トン
 (前年同月比13.7%増、前月比約2.5倍)

     

    

 2022年9月の甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、7万4737円(前年同月比35.1%高、前月比0.8%高)であった(図4)。

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【含みつ糖の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2022年9月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、298トン(前年同月比29.6%増、前月比4.8%減)であった(図5)。

輸入先は中国、フィリピンで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

中国         255トン
 (前年同月比49.1%増、前月比91.7%増)
フィリピン     43トン
 (同19.4%増、同76.1%減)

     

    

 2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、16万9638円(前年同月比12.2%高、前月比3.0%安)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国        15万6553円
 (前年同月比20.5%高、前月比5.4%安)
フィリピン     24万1256円
 (同8.1%高、同32.6%高)


 

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【加糖調製品の輸入動向】
9月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや増加

 財務省「貿易統計」によると、2022年9月の加糖調製品の輸入量は、3万7260トン(前年同月比4.7%増、前月比1.6%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表5の通りであった。

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4.異性化糖の移出動向
10月の移出量は前年同月からやや増加

 2022年10月の異性化糖の移出量は、6万1468トン(前年同月比5.0%増、前月比5.3%増)であった(図9)。

同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

果糖含有率40%未満       358トン
 (前年同月同、前月比0.7%減)
同40%以上50%未満  1万6697トン
 (前年同月比6.9%増、同4.4%増)
同50%以上60%未満  4万4080トン
 (同4.6%増、同6.0%増)
同60%以上                       333トン
 (同23.2%減、同25.3%減)


 

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5.価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 10月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京      1キログラム当たり216〜217円
大阪                             同216〜217円
名古屋                                  同220円
関門                                     同220円

上白糖(小袋)
東京     1キログラム当たり229〜230円
大阪                                    同231円

本グラニュー糖(大袋)
東京     1キログラム当たり221〜222円
大阪                            同221〜222円
名古屋                                 同225円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京     1キログラム当たり216〜217円
大阪                           同216〜217円
名古屋                                 同218円

 10月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの
     1キログラム当たり146〜147円
果糖分55%もの      同152〜153円

 
【小売価格】
10月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で31.2円

 マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける10月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、223.3円(前年同月差21.6円高、前月差1.9円高)であった。最も高かったのは中国・四国および九州・沖縄で、最も安かった関西との価格差は31.2円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
 
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

 

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10月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で73.6円
 マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける10月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、267.2円(前年同月差15.8円高、前月差1.4円高)であった。最も高かったのは関東などで、最も安かった北海道との価格差は73.6円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
 

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10月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で43.8円
 マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国1243店舗)によると、スーパーにおける10月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、254.6円(前年同月差16.6円高、前月差1.3円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は43.8円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表8)。
 

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【支出金額および購入数量】
9月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり大きく上昇

 総務省「家計調査」によると、2022年9月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は31、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は80円(前年同月比11.1%高、前月比8.1%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、313グラム(同4.7%増、同6.5%増)であった(図12)。
 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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