ア.黒糖
(ア)直近1年間の仕入量
黒糖の令和3年度の仕入量を見ると、「5トン未満」がおよそ半数を占めている(図17)。次いで「5トン以上-20トン未満」が1割程となっている。80トン以上と回答があったのはパン類、和生菓子・洋生菓子、菓子類などに使用している企業からであった。
(イ)前年度と比較した仕入量の動向
令和2年度と比較した3年度の仕入量の動向は、「横ばい」が4割半程で最多となっているものの、「大幅に増加」「やや増加」もそれぞれ2割程みられ、増加傾向にあることがうかがえる(図18)。
増加の要因は、「需要の増加により商品の出荷数量が増えたため」「新商品を開発したため」の二つが挙げられている。一方、「やや減少」も1割程みられ、要因としては「需要の減少により商品の出荷数量が減ったため」が挙げられた。
(ウ)今後の仕入量の見込み
今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が5割強で最多となっているが、増加する見込みや減少する見込みもそれぞれ2割みられ、仕入量の変動が見込まれる(図19)。
増加の要因は、「需要の増加により出荷数量が増えるため」が大半であり、その他に「新商品を開発するため」といった回答も見られた。主に、和生菓子・洋生菓子、スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類に使用している企業からの回答であった。
減少の要因は、「需要の減少により商品の出荷数量が減るため」「商品の生産を中止するため」などの回答が見られた。主に、スナック菓子・米菓・油菓子・ビスケット類、キャンデー類・グミ・チューインガム、和生菓子・洋生菓子に使用している企業からの回答であった。
イ.でん粉由来の甘味料(ブドウ糖、水あめ、結晶果糖)
(ア)直近1年間の仕入量
令和3年度の仕入量を種類別にみると、ブドウ糖は、7割強が「500トン未満」となり、大半を占めている(図20)。水あめにおいても、6割程が「500トン未満」で最多となっており、次いで多い「500トン以上1000トン未満」は1割半に留まっている。使用量が多く6000トン以上と回答があったのは、ブドウ糖でははっ酵乳・乳酸菌飲料、水あめでは菓子類、乳飲料、ジャム類に使用している企業からであった。
結晶果糖は、調査単位が異なり「5トン以上30トン未満」が28%で最多となっているが、「1トン以上5トン未満」「60トン以上90トン未満」「90トン以上」がいずれも17%で、分散している。「90トン以上」と回答があったのはジャム類、はっ酵乳・乳酸菌飲料、清涼飲料などに使用している企業であった。
(イ)前年度と比較した仕入量の動向
令和2年度と比較した3年度の仕入量の動向は、ブドウ糖、水あめともに「横ばい」が半数程で最多となっている(図21)。ただ、どちらの甘味料も増加と減少の割合がそれぞれ2割を超えており、仕入量の変動がみられる。結晶果糖は「横ばい」が39%で最多となっているものの、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせると同数となる。減少と回答があったのは主にはっ酵乳・乳酸菌飲料、その他の清涼飲料などに使用している企業からであった。
変動した要因として「需要の増減による商品の出荷数量の変動」や「新商品の開発」「商品の生産中止」などが挙げられている。
(ウ)今後の仕入量の見込み
今後の仕入量の見込みは、ブドウ糖、水あめともに「横ばい」が5割台で最も多くなっている(図22)。ただ「やや増加する」と回答している割合も3割程あり、増加傾向がうかがえる。増加する見込みの理由としては、「需要の増加により商品の出荷数量が増えるため」が大半を占めており、「新商品を開発するため」との回答もあった。反対に一部にみられた減少する見込みと回答した企業の理由では、「需要の減少により商品の出荷数量が減るため」「商品の生産を中止するため」が挙げられている。一方、結晶果糖は「横ばい」が6割台で最も多いが、「やや減少する」と「大幅に減少する」を合わせると3割程と比較的多くなっている。減少の要因としては「需要の減少により商品の出荷数量が減るため」が主に挙げられ、はっ酵乳・乳酸菌飲料などに使用する企業からの回答であった。
ウ.ソルビトール
(ア)直近1年間の仕入量
令和3年度の仕入量を見ると、「5トン以上30トン未満」が4割で多くを占め、次いで多い「90トン以上」「1トン以上5トン未満」は2割に満たず、仕入量はやや集中している(図23)。
「90トン以上」と回答があったのは、和生菓子・洋生菓子、キャンデー類、冷凍食品、パン類、漬物に使用している企業であった。
(イ)前年度と比較した仕入量の動向
令和2年度と比較した3年度の仕入量の動向は、5割半が「横ばい」となっている(図24)。前年度調査と比較すると横ばいが1割程度増加し、代わりに減少と回答した割合が低下した。
増加の要因は「需要の増加により商品の出荷数量が増えたため」が最も多く挙げられ、主に和生菓子・洋生菓子などに使用する企業からの回答であった。
減少の要因は、「需要の減少により商品の出荷数量が減ったため」が最も多く挙げられ、主にパン類、水産関連製品などに使用している企業からの回答であった。
(ウ)今後の仕入量の見込み
今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が6割台で最も多いが、「大幅に増加する」と「やや増加する」を合わせると2割以上となり、前年度調査を上回った。増加の要因としては「需要の増加により商品の出荷数量が増えるため」となっており、主にビスケット類、キャンデー類・グミ・チューインガムなどに使用している企業が回答していた(図25)。