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2. 国際価格の動向

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最終更新日:2023年2月10日

2. 国際価格の動向

2023年2月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(12/1〜1/12)
〜12月後半にかけて21セントに迫る勢いで上昇し、約6年ぶりの高値を記録〜

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 2022年12月のニューヨーク粗糖先物相場(3(がつ)(ぎり))の推移を見ると、12月1日は、前日までの流れを受けて続伸し、1ポンド当たり19.92セント(注1)をつけたが、2日は、米国大手金融企業が22/23年度の世界の砂糖余剰在庫量予測を390万トンから520万トンに引き上げたことから、同19.48セントと値を下げた。なお、当該企業は、2023/24年度のブラジル中南部の砂糖生産量を前年度比で5.2%の増加と見込んでいる。5日は、インドの減産見通しとタイの大雨による収穫遅延の報道を受け、同19.55セントと上昇した。6日は、原油価格が11カ月ぶりの安値となったことから(注2)、同19.39セントと下落した。8日は、欧州砂糖製造者協会(CEFS)が22/23年度のEUの砂糖生産量を前年度比7%減と予測したことから、同19.68セントと上昇した。12日は、ブラジルの砂糖生産増加見込みから、同19.38セントまで値を下げた。13日は、米国労働省が発表した11月の米消費者物価指数の伸びの鈍化をきっかけとしたドル安(注3)と原油価格の上昇により反発し、同19.76セントと値を上げた。14日は、インドとタイの砂糖輸出量減少の見通しから、世界的な砂糖供給量減少の懸念が強まり、同20.29セントとさらに押し上げられた。15日は、インド政府が砂糖の輸出許可枠の追加を検討すると公表したことから、同19.98セントと値を下げたものの、16日以降は、続く供給不足への懸念から続伸し続け、23日は、同20.98セントと約6年ぶりの高値を記録した。27日は、ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が22/23年度の砂糖生産量を8月に予測した3390万トンから3640万トンに上方修正したことから供給見通しの改善を受け、同20.32セントと急落した。29日は、ショートポジションをカバーするための買い戻し(注4)が入ったことなどから、同20.29セントまで回復したが、30日は再び下落し、同20.04セントとなった。

 1月に入って下落傾向が続き、3日は、インド製糖協会(ISMA)が同国の22/23年度の10月から12月の砂糖生産量を前年度比3.7%増と公表したことから、同19.70セントに下落した。4日以降も原油安やレアル安により引き続き値を下げ、6日は、2カ月ぶりに同19セントを下回った。9日以降は、原油高などを受けて反転し、10日は、同19.64セントまで上昇した後、横ばいで推移した。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が低下する。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注4)売買差益を狙い、将来の値下がりを期待して売りの持ち高を取っていた金融資産を、決済のために買い戻すこと。

 
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