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4.日本の主要輸入先国の動向(2023年2月時点予測)

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最終更新日:2023年3月10日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2023年2月時点予測)

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2022年の主要輸入先ごとの割合を 見ると、豪州が90.7%(前年比4.1ポイント増)、タイが9.3%(同4.1ポイント減)と、両国が大勢を占めている(財務省「貿易統計」)。



2022/23年度の輸出量は、かなりの程度減少する見込み
 2022/23年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、34万ヘクタール(前年度同)と横ばいで推移すると見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、3月と7月に主産地クイーンズランド州で洪水をもたらした降雨が、収量には良い影響を与え、前年より良好な生育が予想されることから、3220万トン(同6.9%増)とかなりの程度増加すると予想される。

 砂糖生産量は、天候不順を受け今年度はCCS(注)の低下が見込まれ、またラニーニャ現象による降雨の影響で収穫作業が停滞し、多くの製糖工場で処理作業が前年に比べ遅滞し、未処理のサトウキビが100万トン程度発生すると見込まれているものの、製糖工場での操業期間を1月下旬まで延長することで調整が進んでいることなどから、結果的には423万トン(同2.6%増)とわずかに増加すると見込まれている。また、輸出量は、砂糖生産量の上方修正や国内消費の減少見込みなどから、結果として前月より増加したものの、今年度は減産を背景に324万トン(同7.9%減)と依然として前年との比較においては、かなりの程度の減少が見込まれる。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。

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2022/23年度の砂糖生産量は1億トンを超え、輸出量も900万トン超えの見込み
 2022/23年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、前年が豊作で収穫が良好であったことや、競合するキャッサバに比べて収益が高い状況にあるといった理由から、171万ヘクタール(前年度比12.0%増)とかなり大きく増加すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、東北地域の低地帯で洪水が発生したものの、洪水の被害がなかった他の地域で収量が増加し、1億800万トン(同17.3%増)と1億トンを超える見込みとなっている。

 砂糖生産量は、グリーンハーベスト(注1)の普及を背景とした(しょう)(とう)部や葉などの混入による歩留まりの低下や中部地方での収穫の遅れがあるものの、品質の高いサトウキビの収穫や生産量の増加から1280万トン(同19.8%増)と昨年に引き続き1000万トン超えが見込まれ、輸出量も大幅な増産を受けて908万トン(同12.5%増)と、倍増した前年度からさらなる増加が見込まれる。


(注1)サトウキビを燃やさず、そのまま収穫する方法。従来、同国ではサトウキビを燃やした後に収穫するのが一般的であったが、大気汚染を引き起こすとの批判の高まりを受け、近年はグリーンハーベストが推進されている。

EUとの貿易協議を3月までに開始
 2023年1月27日付け現地紙は、タイとEUの自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉に双方が合意し、3月には開始されると報じた。

 タイにとってEUは、中国、米国、日本に次ぐ4番目の貿易相手である。22年のEUとの貿易額は410億米ドル(5兆3903億円)(注2)と貿易額総額の7%を占めた。EUとのFTA交渉は14年、同国で発生したクーデターにより、軍事政権が実権を掌握したことにEUが抗議したため、同年以降、中断していた。

 同国政府による調査では、EUとのFTAが実現すれば、輸出だけでなく輸入や投資にも好影響を及ぼすとされ、GDPは年1.28%(8323億円)、輸出額は2.83%(8640億円)、また輸入額は2.81%(8157億円)それぞれ増加すると試算している。また同FTAの締結は、自動車、機械、衣料品、電子機器、化学品、ゴム、プラスチックなどの工業製品や原料のほか、加工食品などにも恩恵を与えると見込まれている。しかし、その一方で影響を受ける品目として、砂糖、野菜、果物などの食料品が挙げられており、同国の農畜産物の生産や輸出の動向への影響が注目される。

(注2)1米ドル=131.47円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。)

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