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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2023年8月10日

砂糖類の国内需給

2023年8月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和5年6月に「令和4砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した。
 
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(1)砂糖の消費量

 令和4砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、179万2000トン(前年度比0.7%増)と見通している(表1)。内訳を見ると、引き続き物価高の影響などは見込まれるものの、インバウンド需要の増加など人流増に伴う経済活動の回復が想定されることから、分みつ糖の消費量は176万トン(同0.8%増)と見通している。含みつ糖の消費量は近年の消費動向などを勘案し、3万3000トン(同2.9%減)と見通している。
 
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(2)砂糖の供給量

 令和4砂糖年度の砂糖の供給量は、176万1000トン(前年度比0.5%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は174万6000トン(同0.6%増)、含みつ糖は1万4000トン(同12.5%減)と見通している。国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜糖については、てん菜の作付面積が前年産と比べ4.0%(2327ヘクタール)減少した。作柄については8月の降水量が平年よりもかなり多かった影響などにより、1ヘクタール当たりの収量および根中糖分の低下が見られることから、産糖量は56万2000トン(前年産比12.1%減)、供給量は56万2000トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比12.1%減)と見通している。甘しゃ糖については、サトウキビの収穫面積が前年産に比べ0.5%(113ヘクタール)増加した。作柄については、一部の島において台風11号および12号の被害、春先の長雨、梅雨明け後の干ばつの影響が見られたことから、産糖量は13万9000トン(前年産比8.2%減)、供給量は13万2000トン(前年度比8.2%減)と見通している。
 

(3)加糖調製品の需給

 令和4砂糖年度の加糖調製品の消費量は、物価高の影響などにより、40万3000トン(前年度比11.0%減)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
 
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(4)異性化糖の需給

 令和4砂糖年度の異性化糖の消費量は、人流の増加による需要の回復が見込まれることから、近年の消費動向を踏まえ、77万1000トン(前年度比1.5%増)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
 
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2.輸入動向

【粗糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2023年5月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、10万3684トン(前年同月比21.6%増、前月比2.3倍)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ      2万964トン
  (前年同月および前月輸入実績なし)
 豪州   8万2720トン
  (前年同月比3.0%減、前月比84.0%増)


 


 

 2023年5月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、8万8698円(前年同月および前月輸入実績なし)であった(図3)。
 



 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ  8万8698円
  (前年同月および前月輸入実績なし)

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万2101円(前年同月比29.1%高、前月比15.6%高)であった(図4)。
 
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【含みつ糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2023年5月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、325トン(前年同月比52.8%減、前月比61.6%減)であった(図5)。

 輸入先国は中国、タイ、フィリピンおよびインドの4カ国で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国      172トン
  (前年同月比66.2%減、前月比36.1%減)
 タイ       146トン
  (同39.0%増、同72.3%減)
 フィリピン    4トン
  (同92.7%減、同91.8%減)
 インド            3トン
  (前年同月および前月輸入実績なし)






 

 2023年5月の1トン当たりの輸入価格は、13万9585円(前年同月比6.6%安、前月比6.0%安)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国            15万9163円
  (前年同月比5.4%高、前月比0.9%高)
 タイ            10万7774円
  (同9.1%安、同16.8%安)
 フィリピン   35万5500円
  (同2.2倍、同20.5%高)
 インド          27万7333円
  (前年同月および前月輸入実績なし)
 
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【加糖調製品の輸入動向】
5月の加糖調製品の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2023年5月の加糖調製品の輸入量は、3万2537トン(前年同月比21.4%減、前月比3.2%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。



 
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3.異性化糖の移出動向

6月の移出量は前年同月からやや減少
 
2023年6月の異性化糖の移出量は、7万8368トン(前年同月比3.1%減、前月比6.1%増)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満       452トン
  (前年同月比17.7%増、前月比24.5%増)
 同40%以上50%未満 1万9392トン
  (同2.8%減、同6.0%増)
 同50%以上60%未満 5万7798トン
  (同3.1%減、同6.2%増)
 同60%以上                 726トン
  (同12.3%減、同11.5%減)

 


 

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4.価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 6月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり227〜229円
 大阪                   同227〜229円
 名古屋                        同230円
 関門                           同232円
 
 上白糖(小袋)
 東京 1キログラム当たり239〜243円
 大阪                   同242〜243円
 
 本グラニュー糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり232〜234円
 大阪                   同232〜234円
 名古屋                        同235円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり227〜229円
 大阪                   同227〜229円
 名古屋                        同228円
 
 6月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
     1キログラム当たり166〜167円
 果糖分55%もの   同172〜173円
 
【小売価格】
6月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で49.0円

 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける6月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、234.1円(前年同月差26.0円高、前月差1.0円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は49.0円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

 
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

 
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6月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で59.2円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける6月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、283.8円(前年同月差24.4円高、前月差1.5円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は59.2円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
 
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6月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で57.7円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける6月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、273.9円(前年同月差29.1円高、前月差4.3円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった九州・沖縄との価格差は57.7円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
 
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【支出金額および購入数量】
5月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに下落

 総務省「家計調査」によると、2023年5月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は30、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は100円(前年同月比2.0%安、前月比29.9%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、304グラム(同12.6%減、同7.0%増)であった(図12)。
 


 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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