令和4年産てん菜の作付面積は、前年産と比べ2327ヘクタール減少し5万5182ヘクタール(前年比96.0%)となった。
生産量は、春先の天候不順や夏期の高温多雨による褐斑病や根腐症状、湿害の発生により、51万6337トン減少し354万4512トン(同87.3%)となり、その結果、10アール当たり収量は、638キログラム減少し6423キログラム(同91.0%)となり、この5年間では、平成30年に次いで少ない値となった。
根中糖分については、病害や湿害の発生、夏から秋の最低気温が高かったことにより、この5年間では最も低い16.1%となり、前年産を0.1ポイント下回った(表2、図2)。
品種別の作付け構成は、「カーベ2K314」(34.1%)、「パピリカ」(27.3%)、「ライエン」(16.2%)の順となっている(表3)。
「カーベ2K314」は、褐斑病やそう根病の抵抗性が優れており、「パピリカ」は、そう根病抵抗性に優れ根重が多く、平成29年に優良品種に認定された「ライエン」は、そう根病抵抗性に優れ糖量が多いことから、作付け割合が高くなっている。
てん菜の作付け戸数は全道的に減少傾向が続いており、令和4年産は10年前(平成24年)と比べ1431戸減少し(18.0%減)、6531戸となった。一方、1戸当たりの作付面積は8.4ヘクタールと、10年で1.0ヘクタール増加している(図3)。
労働力不足の中でこうした作付け規模の拡大に対応するため、近年では、春の育苗・移植作業に要する労働力を大幅に削減できる直播栽培に取り組む地域が増加しており、4年産の直播栽培の面積は、前年より1770ヘクタール増加の2万2206ヘクタール(作付面積の40.2%)となっている(図4)。