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世界8カ国のアイスクリーム消費動向および購買志向

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最終更新日:2023年9月11日

世界8カ国のアイスクリーム消費動向および購買志向

2023年9月

調査情報部 峯岸 啓之、針ヶ谷 敦子

【要約】

 世界8カ国を対象とした消費者調査では、アイスクリームは、砂糖やチョコレートほどの摂食頻度は見られず、国や年齢、運動頻度の別について回答傾向も異なった。また、コロナ前後の摂食量の変化では、おおむね半数が変化はないとする一方、収入増や生活習慣の変化から今後の増加が見込まれる。原材料別の購入意欲では、若い世代で国産に対する価格の割増を容認する傾向があり、また、オーガニックや卵・乳製品不使用への関心の高さが見られた。その他甘味料の使用と健康への良し悪しについては、どちらともいえないとする意見が多いものの、双方の意見も一定数存在した。
 

はじめに

 気候変動や高齢化の進展など、世界規模で生じるさまざまな課題や問題を通じ、健康やSDGs(持続可能な開発目標)に対する消費者の関心は高まっている。加えて、情報網の発達や人の動きが広がっていることで、食に対する消費者の志向も変容しつつある。このような中で、砂糖に対する消費者の関心度や消費状況、砂糖を含む食品の選択思考や購買動機などを分析し、国際的な傾向を把握することは、輸出性向の強い甘味商品製造業者などにとって参考に資すると考えられる。

 そこで当機構では、2022年度に砂糖をはじめ、チョコレートおよび糖類を含む清涼飲料水の消費状況、また、これらの商品に対する購買志向などについて、全世界から地理的・文化的なバランスや砂糖消費量などを勘案して選定した世界8カ国(図1)の一般消費者を対象にアンケート調査を実施した(注1)。23年度は引き続きアイスクリームおよびアメ・ガム・グミについて同様の調査を実施したので、本稿では、このうちアイスクリームの調査結果の概要について報告する。

 

(注1)調査の詳細については『砂糖類・でん粉情報』(2022年9月号)
   「世界各国における砂糖の消費動向および購買志向」
   〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002778.html
   『砂糖類・でん粉
情報』(2022年10月号)「世界各国におけるチョコレートの消費動向および購買志向」
   〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002797.htmlおよび
   『砂糖類・でん粉情報』(2022年11月号)
   「世界各国における糖類を含む清涼飲料水の消費動向および購買志向」
   〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002813.html〉を参照されたい。

 

1

1 調査概要

(1)調査対象
世界8カ国(注2)の一般消費者を対象に、男女別と世代別に調査した。

(注2)日本、豪州、ブラジル、中国、フランス、インド、インドネシア、米国。

(2)有効回答数
 
合計約6964件(各国約870人×8カ国)(注3、注4)。各国については、男女それぞれ世代別(18歳〜29歳、30歳〜39歳、40歳〜49歳、50歳〜59歳および60歳以上の5カテゴリー)に約80人ずつ調査した。

(注3)対象年齢は調査対象国の多くで採用する成人年齢(18歳)以上とした。
(注4)図表中のNは有効回答数。

(3)調査期間
 
2023年2〜3月

(4)調査手法
 
インターネットアンケート(注5)

(注5)回答者は、男女別、世代別で均等に割り付けしていること、
    インターネットを利用できる環境下で生活していることなどに留意が必要。


(5)調査品目
 アイスクリーム(注6)

(注6)日本では「アイスクリーム」は成分規格で乳固形分が15.0%以上(うち乳脂肪分が8.0%以上)の
    ものと定義されるが、本アンケートでは乳固形分が10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)の
   「アイスミルク」や乳固形分3.0%以上の「ラクトアイス」についても「アイスクリーム」として回答している。

 
なお、本調査の回答者に係る属性および甘味商品の嗜好性については文末の参考資料を参照されたい。
 

2 アイスクリームの摂食状況

(1)アイスクリームの摂食頻度
 
8カ国全体の摂食頻度は、「ほぼ毎日」は1割弱で、「週に1〜2回」にまで範囲を広げると全体の4割弱であった(図2)。

 国別の摂食頻度は、「ほぼ毎日」は、インドのみ1割を超え、「週3〜4回」まで範囲を広げると3割弱と他国よりも高くなった。ただし、「週に1回以上」まで範囲を広げると、インドの他にインドネシアで5割弱となり、インドには及ばないものの回答数が増加した。インドネシアでは「ほぼ毎日」が1割弱と低い一方で、「週に1〜2回」は3割弱と最も高く、同国内での一定の需要がうかがえる。また、「全く摂食しない」は、中国では1割弱が回答し、その他7カ国よりも高くなった。その一方で「年に1〜3回」では、フランスのみ2割強となり、「全く摂食しない」と合わせて年間でほとんど摂食しない層が一定数存在することがうかがえる。

 年齢別では、「週に1回以上」は30〜39歳が最も高く、次いで18〜29歳が高い(図3)。一方で40代以降は漸減し、砂糖およびチョコレートの摂食頻度と同様に、加齢に伴い低下する傾向にあり、60歳以上の6割弱が「月1回以下」、1割弱が「全く摂食しない」としている。
 







 

(2)運動頻度別のアイスクリームの摂食頻度
 
運動頻度別の摂食頻度は、「週に1回以上」では運動頻度の高い消費者ほど高い傾向にあり、「ほぼ毎日運動する」では1割弱が「ほぼ毎日摂食する」とした(図4)。一方で、回答者数を考慮する必要はあるものの、運動頻度が減るにつれ、摂食する者も減る結果となった。





 

(3)アイスクリームを摂食する理由
 8カ国全体の摂食理由は、「おいしいから」が最も多く6割が回答した(図5)。次いで「ちょっとした自分へのごほうびとして」が5割弱、「食後のデザートとして」が4割弱としており、「味」や「特別感」が摂食理由とうかがえる。また、3割弱は「気分転換のため」「ストレス発散のため」とし、アイスクリームの摂食が自身の精神的健康の維持に寄与しているとも考えられる。

 国別の摂食理由は、多くの国で「おいしいから」が上位となり、特にブラジルでは8割弱が、インドネシアでは7割強とした。全体では「ごほうび」「デザート」も多かったものの、中国やインドネシアでは「気分転換」「ストレス発散」がそれらを上回った。日本では8カ国で唯一「おやつとして」が3位に入り、また中国でも3位と同程度の回答となり、両国ではおやつとしての需要があることが確認された。なお、国際乳食品協会(IDFA:International dairy foods association)の調査によると、米国ではアイスクリームを摂食する主な理由として、「おやつ」「ごほうび」「デザート」が挙げられたほか、本稿アンケートの質問事項にない「甘味欲求を満たすものとしての摂食」とした回答も多いと報告されている。

 年齢別では、すべての年代層で「おいしいから」「ごほうび」「デザート」の順に多かった(図6)。なお、「ストレス発散」が加齢に伴い低くなっており、中高齢層では精神的健康への評価や期待が弱いと推測される。








 

(4)アイスクリームの選好性
 8カ国全体の選好性は、「バニラフレーバー」と「チョコレートフレーバー」が6割を占めた(図7)。次いで「フルーツフレーバー」が4割弱、「フルーツ入り」が3割弱とフルーツ関連の選択も多かった。近年、健康意識の高まりなどから「低糖質」「低脂肪乳」「オーガニック」「糖・卵・乳製品不使用」とした商品も登場しているが、全体では1割弱から1割強にとどまり、一定数の認知はあるものの、商品選択の優先度は低いと推測される。

 国別の選好性は、全体と同様に「バニラフレーバー」「チョコレートフレーバー」が多くの国で3位以内に入ったものの、ブラジルのみ「バニラフレーバー」は入らず、代わりに「フルーツ系」が上位となった。また、豪州と米国では「キャラメルフレーバー」が3位以内に入り、フランスでも4位となった。「低糖質」「低脂肪乳」では、ブラジル、中国、インド、インドネシアがその他の4カ国と比較して高く、インドネシアでは3割弱が「低糖質」と回答した。「オーガニック」では、中国、フランス、インドネシアで1割強、インドで2割弱となった。中でもフランスでは「低糖質」「低脂肪」が低かったが、「オーガニック」は少し高く、砂糖やチョコレートの報告と同様に、同国では一定の需要があると推察される。

 年齢別では、すべての年代層で「バニラフレーバー」「チョコレートフレーバー」「フルーツフレーバー」が上位3位を占める結果となった(図8)。




 

2

3 コロナ禍での摂食量の変化

(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行前後の変化
 
摂食量の変化について8カ国全体では、6割弱が「変化はない」とする中で、3割弱が「かなり増えた・やや増えた」とし、「かなり減った・やや減った」を上回った(図9)。

 国別では、多くの国で4割弱から6割弱が「変化はない」としたが、フランスは7割弱、日本は8割弱と際立った。一方インドでは、「かなり増えた・やや増えた」が、「変化はない」を唯一上回り、コロナ禍で需要が高まったことがうかがえる。また「変化はない」を除くと、すべての国で「かなり増えた・やや増えた」が「かなり減った・やや減った」を上回った。

 年齢別では、すべての年齢層で「変化はない」が最も多く、加齢に伴い「変化はない」が増し、「かなり増えた・やや増えた」が減る傾向にあった(図10)。また、60代以上では「かなり減った・やや減った」が「かなり増えた・やや増えた」を上回った。








 

(2)コロナ禍での増減理由
 
摂食量の増加理由を8カ国全体で見ると、「在宅時間が増加し、自宅で仕事をするようになったから」が最も多く、次いで「収入が増えたから」「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」が続いた(図11)。

 国別では、8カ国全体で最も多かった「在宅時間が増加し、自宅で仕事をするようになったから」が、フランスを除く7カ国で3位以内に入ったものの、各国で状況は異なった。生活習慣の変化や健康への配慮に関する回答が多かったほか、中国やインドネシアでは子供と過ごす時間の増加も上位となっている。日本では、自宅で過ごす時間の増加や生活の変化による嗜好性の変化が上位に挙げられた。

 一方、摂食量の減少理由を8カ国全体で見ると、「以前より健康に気を使うようになったから」が最も多く、次いで「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」「収入が減少したから」が続いた(図12)。

 国別では、上位3位以内は、8カ国全体の上位4位と同一であるが、2位以下については、国によって回答が割れた。




 

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4 アイスクリームの摂食量の今後の見通し

(1)アイスクリームの摂食量の変化
 
今後の摂食量について8カ国全体では、6割弱が「変化はない」とする中、2割強は「かなり増える・やや増える」とし「かなり減る・やや減る」を上回った(図13)。

 国別では、日本で「変化はない」が最も多かった。経済産業省の調査(注7)統計によると、日本のアイスクリームの家計支出額は近年上昇を続けており、2022年は過去最高を記録している。また、豪州とブラジルでは「かなり減る・やや減る」が「かなり増える・やや増える」を上回った。一方、中国、インド、インドネシアでは「かなり増える・やや増える」が4割弱から5割弱と国によって回答が異なった。

 一方、年齢別では、「変化はない」を除くと40代以下では「かなり増える・やや増える」が「かなり減る・やや減る」を上回り、図10と同様に、加齢に伴い「変化はない」が増加し、「かなり増える・やや増える」が減少した(図14)。


(注7)調査の詳細については、経済産業省「アイスクリーム等の動向について」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20230309hitokoto.html〉を参照されたい。

 






 

(2)今後の見通しの増減理由
 摂食量の増加理由を8カ国全体で見ると、「収入が増えたから」が最も多く、次いで「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」「以前より健康に気を使うようになったから」が続いた(図15)。

 国別では、8カ国全体で最も多かった「収入が増えたから」が、日本を除く7カ国で3位以内の増加理由に入ったものの、各国で状況は異なった。生活習慣の変化や健康への配慮についての回答が多かったほか、在宅時間の増加による変化も上位になった。日本は、自宅で過ごす時間の増加、生活習慣の変化、収入の減少が上位に挙げられた。

 一方、摂食量の減少理由を8カ国全体で見ると、「以前より健康に気を使うようになったから」が最も多く、次いで「生活習慣の変化により、食生活に変化があったから」「生活習慣の変化により、嗜好性に変化があったから」が続いた(図16)。

 国別では、3位以内の減少理由については8カ国全体とおおむね同一の回答となっている。フランスと米国の両国では「収入が減少したから」が3位に入り、減少理由でも増加理由と同様に上位になった。
 



 

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5 原材料別での消費者のアイスクリームの購入意欲

(1)原材料が国産のアイスクリーム
 原材料に関する評価について8カ国全体では、3割が「国産品かそうではないかに強いこだわりがない」とし、次いで価格差が「10%以上50%未満であれば購入する」「同10%未満であれば購入する」が続いた(図17)。

 国別では、ブラジル、インド、インドネシアでは価格差が「10%未満であれば購入する」と「10%以上50%未満であれば購入する」の合計が5割台であり、他の5カ国より高い結果となった。また、インドでは「いくら高くても国産品を購入する」までの価格の割増を容認する評価は8割を超え、ブラジルとインドネシアも同様に7割を超えるなど、各国で国産の原材料に関する評価は高いとうかがえる。一方日本では、8カ国で唯一「国産品かそうではないかに強いこだわりがない」が4割を超えた。

 年齢別では、若い世代ほど価格の割増を容認する傾向にあるが、一方で年齢が増すにつれて「いくら高くても国産品を購入する」と「国産品かそうではないかに強いこだわりがない」の割合が高くなった(図18)。






 
 

(2)オーガニック認証を受けているアイスクリーム
 価格的評価について8カ国全体では、3割弱が「オーガニック認証商品かそうではないかに強いこだわりがない」とし、次いで価格差が「10%以上50%未満であれば購入する」「10%未満であれば購入する」が続いた(図19)。

 国別では、ブラジル、中国、インド、インドネシアでは「10%未満であれば購入する」「10%以上50%未満であれば購入する」の合計が4〜5割台であり、他の4カ国より高くなった。特にインドでは、図7の通りオーガニック商品に2割弱の支持がある中で、価格の割増を容認する層が8割を超えており興味深い。一方、豪州、フランス、米国では、「オーガニック認証を受けた商品を買わない、買うことがない」が他の5カ国と比較して高かった。日本は、前項の国産品と同様に8カ国で唯一「オーガニック認証商品かそうではないかに強いこだわりがない」が5割を超え、最も高かった。

 年齢別では、30代で最も購入意識が高く、加齢に伴いオーガニック認証への関心が低い層が増えるものの、年齢に関わらず1割弱が「いくら高くてもオーガニック認証商品を購入する」とした(図20)。








 

(3)卵・乳製品不使用のアイスクリーム
 価格的評価について8カ国全体では、3割弱が「卵・乳製品不使用の商品かそうではないかに強いこだわりがない」とし、次いで「10%未満であれば購入する」「10%以上50%未満であれば購入する」が続いた(図21)。

 国別では、オーガニックと同様にブラジル、中国、インド、インドネシアでは「10%未満であれば購入する」と「10%以上50%未満であれば購入する」の合計が4〜5割台であり、他の4カ国より高くなった。一方、豪州、フランス、米国では、オーガニック認証と同様に「卵・乳製品不使用の商品を一切買わない、買うことがない」が他の5カ国と比較して高くなった。また日本はこれまでと同様に8カ国で唯一「卵・乳製品不使用の商品かそうではないかに強いこだわりがない」が5割を超え、最も高かった。本調査において日本では他の7カ国と比較して、原材料に関するこだわりが小さい傾向が示された。

 年齢別では、18〜29歳のグループで最も購入意識が高く、加齢に伴い卵・乳製品不使用への関心が低い傾向にあった。また、年齢に関わらず1割弱が「いくら高くても卵・乳製品不使用の商品を購入する」と回答した(図22)。




 

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6 その他甘味料を使用したアイスクリームの健康への印象

 砂糖以外のその他甘味料(注8)を使用したアイスクリームの健康への印象について8カ国全体では、3割弱が「どちらとも言えない」、1割弱が「わからない」としたものの、4割強が「健康に良いと思う」であった(図23)。

 国別では、インドやインドネシアでは「健康に良い」が多く、特にインドでは3割強が「とても健康に良いと思う」であった。清涼飲料水の報告でも、インドは、その他甘味料の使用に対し肯定的な意見が比較的多く、アイスクリームでも同様の傾向が表れたと推察される。一方フランスでは「健康に良いと思う」の合計は、インドの「とても健康に良いと思う」よりも低く、同国のみ「健康に悪いと思う」の合計が「健康に良いと思う」の合計を上回るなど、国により評価が異なった。特にフランスでは、その他甘味料に対し健康に悪いイメージを有している点が注目される。

 年齢別では、若い世代ほど「健康に良いと思う」が多く、加齢に伴い「健康に悪いと思う」が増えた(図24)。
 
 

(注8)本稿においては、以後、特に断りがない限り、砂糖以外の甘味料を「その他甘味料」と表記する。

 


 

6

おわりに

 本報告では世界各国のアイスクリームの消費動向などを取り上げた。砂糖やチョコレートほどの摂食頻度は見られなかったが、国や年齢、運動の頻度別に傾向が異なった。また、COVID–19の流行を経てアイスクリームの摂食量は変わらないとする回答が大半を占めたものの、本調査全体では、収入増や生活習慣の変化を理由とする摂食量の増加が減少を上回った。

 原材料別での購入意欲では、若い世代ほど国産に対する価格の割増を容認する傾向にあり、年齢を重ねるにつれ関心の高い層と低い層が分かれる結果となった。また、オーガニック認証や卵・乳製品不使用のアイスクリームについては、若い世代ほど購入に意欲的で、加齢に伴いこだわりや関心は弱まる傾向にあることが示唆された。さらに、砂糖やチョコレートではオーガニック認証を重要視していた国がアイスクリームでは購入意欲が低い結果となっており、甘味商品によっても、その需要に差が出ることが確認された。商品の選択に関し、産地やオーガニック認証、卵・乳製品不使用へのこだわりが小さい傾向にある日本において、さらなる需要の伸びを追求するには、今後、これらと異なる視点から、商品の付加価値付与や差別化を図ることが重要と考えられる。

 その他甘味料の使用と健康への良し悪しについては、どちらともいえないとする意見が多くを占めたが、健康に良いとする国もあれば、悪いとする国もあり、また世代によっても意見が異なることが確認された。砂糖と比較して低カロリーであることにその他甘味料の特徴があるものの、日本では他国と比べてどちらともいえない、わからないとした回答が多く、また低糖質アイスへの選好性が他のフレーバーなどの特徴を有するアイスクリームより低かった。このことを踏まえると、その他甘味料の有する低カロリーという機能性よりもおいしさや自身へのごほうびとなるような満足感の追求がさらなる需要の伸びに貢献すると考えられる。
 

【参考資料】(参考1)回答者の属性

 本調査の回答者に係る属性は以下の通り。

 なお、8カ国全体の平均的な属性は、世帯構成では子供がいる世帯が4割強(参考−図1)、就業状況では会社勤務が3割強、無職が1割強である(参考−図2)。回答者の5割弱が世帯用食品の購入に10割の関与を有している(参考−図3)。世帯月収は5万円以上50万円未満の層が6割強(参考−図4)、居住地域は都市部が7割弱を占める(参考−図5)。9割弱が一定程度健康への関心を持ち(参考−図6)、8割弱が一日当たり1時間以上体を動かし(参考−図7)、週に1回以上運動する(参考−図8)。食事や食品を購入する際の優先項目は味、栄養、価格および安全の4項目が上位を占める(参考−図9)。
























 
7

(参考2)回答者の甘味商品の嗜好性

 甘味商品の嗜好性について国別では、甘いものが好きと回答をした消費者の割合はすべての国で8割を超え、「とても好き」「好き」の合計は、すべての国で過半を超えた(参考−図10)。特にインドでは4割強が「とても好き」とし、8カ国の中で最も高かった。日本は「好き」の回答数が最も多く、4割弱を占めた。

 年齢別では、30代の消費者が甘味商品を最も好み、その後は加齢に伴い、嗜好度合が減少し、60代以降では、「とても好き」「好き」の合計は5割程度にまで減少している(参考−図11)。

 運動量や頻度別では、日常的な運動量(立つ、歩くなど)や運動の実施頻度が高い層では、その量に応じて嗜好度合が高まる一方、運動量が0〜30分未満や全く運動を実施しない層でも、一定の割合で甘味商品を好む傾向がみられた(参考−図12、13)。









 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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