LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)による2023年9月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2023/24砂糖年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、1億9152万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、前年度比0.1%増)と前年度から横ばいでの推移が見込まれる(表1)。生産量第1位のブラジルで増産が見込まれ、EUや中国などで前年度の減産から回復が期待されることから、世界全体では前年度を上回るが、生産量第2位のインドを筆頭に、タイやパキスタンなどでは前年度を下回る見通しである。
また砂糖消費量は、EUではわずかに減少が見込まれるものの、消費量第1位のインドを筆頭に、ブラジルやインドネシア、パキスタンなどで増加が見込まれ、世界全体では1億9528万トン(同3.2%増)とやや増加が見込まれる。
この結果、期末在庫率は前年度比2.1ポイント減の38.1%となり、7年ぶりとなる40%割れが見込まれる。地域別の砂糖需給の予測値は、図1の通りである。