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5.日本の主要輸入先の動向(2023年9月時点予測)

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最終更新日:2023年10月10日

5.日本の主要輸入先の動向(2023年9月時点予測)

2023年10月


 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2022年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が90.7%(前年比4.1ポイント増)、タイが9.3%(同4.1ポイント減)と、両国がほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。
 
 


2023/24年度の輸出量は、砂糖需要の高まりを背景にかなり大きく増加する見込み
 
2023/24年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、34万ヘクタール(前年度比2.5%増)とわずかな増加が見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、主産地であるクイーンズランド州北部での季節外れの降雨の影響を受けて収穫が遅れており、3107万トン(同4.7%減)とやや減少すると見込まれる。

 砂糖生産量は、エルニーニョ現象の発生パターンが確認されたことで、今後の降雨量は減少が予測されている。このため、多くの製糖工場が立地する同州では、収穫期の後半に乾燥した天候が予想されることで、収穫が円滑に進むとの見込みから、441万トン(同4.5%増)とやや増加すると見込まれる。輸出量は、世界的な経済回復により同国の主要輸出先である韓国、インドネシアおよび日本などの砂糖消費需要によってけん引されることに加え、世界的な砂糖の供給懸念により豪州産砂糖需要の高まりが見込まれることから、341万トン(同15.9%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。
 

豪州産砂糖が50年ぶりに英国に向け出荷
 
豪州では、2023年5月31日の豪英自由貿易協定(豪英FTA)の発効による関税割当制度の導入を受けて、7月11日に同国クイーンズランド州からロンドンに向けて、1973年以来、50年ぶりに砂糖輸出が行われた。

 今回の出荷は、同州タウンズビルのクイーンズランド砂糖公社(QSL)を発荷主とし、同州の中部沿岸のバーデキン産のサトウキビを原料とした粗糖3万3000トンで、9月7日にロンドンのTale&Lyle社の精製工場に到着した。

 豪英FTA発効前の関税は、1トン当たり350ポンド(6万6483円)(注)または関税率64%という高関税であったが、発効年である2023年は8万トンの無税枠が設定されている。今後、無税枠は毎年10月に2万トンずつ拡大し、31年には関税が完全撤廃となる。QSLのマーケティングゼネラルマネージャーは、来年24年の無税枠10万トンはすべて消化されると見込んでおり、この枠を使い切ることに期待していると述べている。

(注)1ポンド=189.95円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の8月末TTS相場)。

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2023/24年度の砂糖生産量と輸出量は大幅に減少する見込み
 
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、エルニーニョ現象などによる乾燥天候を考慮して、より乾燥に強いキャッサバに転換する農家が増加しているとされるものの、150万ヘクタール(前年度比7.1%減)とかなりの程度減少すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、収穫面積の減少に加え、エルニーニョ現象による天候不順がサトウキビの生育に大きく影響し、7500万トン(同20.1%減)と過去2年と比べ大幅な減産が見込まれる。

 砂糖生産量は、サトウキビの減産を受け、916万トン(同20.9%減)と大幅に減少すると見込まれる。輸出量も、砂糖の減産を背景に、605万トン(同29.6%減)と大幅に減少すると見込まれる。
 


 

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