2023/24年度の砂糖生産量はかなりの程度、輸入量はかなり大きく増加する見込み
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、116万へクタール(前年度比0.3%減)とほぼ横ばいで推移すると見込まれる(表4)。サトウキビ生産量は、年初に広西チワン族自治区で続いた乾燥が生育の懸念材料となっていたものの、8月から9月にかけて降雨に恵まれたことから、7008万トン(同11.9%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。一方で、てん菜の収穫面積は、新疆ウイグル自治区で寒さによるてん菜の部分的な不作が生じたことなどから、18万ヘクタール(同9.5%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。てん菜生産量は、収穫面積の減少に加え、内モンゴル自治区で乾燥した天候が懸念される中、895万トン(同2.3%増)とわずかに増加すると見込まれる。
砂糖生産量は、サトウキビの生産回復を背景に、1053万トン(同8.6%増)とかなりの程度増加し、21/22年度の水準にまで回復すると見込まれる。輸入量は、世界的な砂糖価格の上昇などを背景に在庫の取り崩しが進んだことから、664万トン(同13.1%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。
同国政府は9月27日、2016年以来6年ぶりとなる砂糖備蓄の国内市場への放出を実施しており、12万6700トンの砂糖が売り渡され、今後も追加の放出が行われる可能性がある。
広西チワン族自治区、サトウキビ圃場の拡大と機械化の導入を推進
9月24日付け現地報道によると、中国最大のサトウキビ生産地である広西チワン族自治区では、2023/24年度のサトウキビ作付面積は1124万ムー
(注1)(75万ヘクタール、前年度比0.4%増)とわずかに増加、サトウキビ生産量は4700万トン(同14.1%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。これによる、サトウキビの増産と前年度の砂糖生産量(527万トン)から予想される砂糖生産量は、約600万トンと見込まれる。
同自治区では、今年からサトウキビの生産保護区を新たに設け、ユーカリ植林地からの転換を図る「〇(木へんに安)退蔗〇(しんにょうに井)(直訳:ユーカリ後退、サトウキビ前進)」を実施している。8月末の時点で、73万2300ムー(4万8820ヘクタール)のユーカリや果樹などの圃場が減少し、新たに60万6600ムー(4万440ヘクタール)のサトウキビ圃場が拡張された。
また現在、同自治区では、サトウキビ圃場での一連の作業(圃場での収穫、葉と不純物の除去、製糖工場での圧搾など)において段階的な機械の導入を試験的に進めている。特に収穫や葉の分別は煩雑で負担が大きいことから、すでに栽培と収穫での機械化率は7割程度とされており、作業効率の向上に貢献している。さらに同自治区では、全地域の製糖企業で戦略的再編と積極的な生産能力の統合を推進し、地域産業の拡大を図っている。その中で、現在約5割の製糖工場で自動包装やパレタイジング
(注2)設備、分散制御システムなどが導入されている。
(注1)1ムーは約0.0667ヘクタール。
(注2)荷物をパレット(荷物を荷役・輸送・保管のために載せる台)に積み上げること。パレタイズともいう。