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4 日本の主要輸入先の動向(2023年11月時点予測)

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最終更新日:2023年12月11日

4 日本の主要輸入先の動向(2023年11月時点予測)

2023年12月


 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同 1701.14−200〉の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイであり、2022年の主要輸入先ごとの割合を見ると、豪州が90.7%(前年比4.1ポイント増)、タイが9.3%(同4.1ポイント減)と、両国がほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。
 


2023/24年度の砂糖輸出量は、需要の高まりからかなり大きく増加する見込み
 
2023/24年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、34万ヘクタール(前年度比3.3%増)とやや増加が見込まれる(表6)。サトウキビ生産量は、主産地であるクイーンズランド州北部での季節外れの降雨の影響を受けて収穫が遅れ、3073万トン(同5.7%減)とやや減少すると見込まれる。

 砂糖生産量は、サトウキビが減産見込みであるものの、エルニーニョ現象の影響とされる乾燥した天候により、CCS(注)の数値は高くなっていることから、437万トン(同1.7%増)とわずかに増加すると見込まれる。しかし、今後、エルニーニョ現象が強まり、サトウキビ生産地で乾燥が進むことは、24/25年度のサトウキビ生産にはマイナスに働く可能性がある。輸出量は、主要輸出先である韓国、インドネシアおよび日本などの砂糖消費需要が堅調であることに加え、50年ぶりに再開された英国への輸出や、世界的な砂糖の供給懸念による豪州産砂糖の需要の高まりなどから、337万トン(同14.6%増)とかなり大きく増加すると見込まれる。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。

EUとのFTA合意の持ち越しを評価
 
豪州の主要サトウキビ生産地であるクイーンズランド州の生産者団体のCANEGROWERSは10月30日に同団体のホームページで、豪州とEUの自由貿易協定(FTA)の合意が持ち越されたことについて、農家にとって不利な協定に署名するよりも、EUとのFTA交渉から撤退するという勇気ある決断を下した連邦政府のドン・ファレル貿易・観光相に対し敬意を表した。

 同相は、G7大阪・堺貿易大臣会合のための来日に際し、その傍らで豪・EU間のFTAが妥結されるのではないかと期待されていた。しかし、EUから提示された条件が豪州農業にとって不利なものであるとし、締結には至らなかった。

 CANEGROWERSのダン・ギャリガンCEOは、同相があらゆる段階で業界と緊密に協力・協議し、常に誠意をもってこの5年間EUと交渉してきたと敬意を示す一方、EUから、砂糖を含む豪州産農産物に有意義な条件を引き出すことに失敗しており、今回も容認できる代案が示されなかったことについて不満を呈した。

 また同氏は、EUは200万トン粗糖を輸入しており、EUの精糖企業は豪州で生産されるような高品質で持続可能な砂糖への条件を切望していることについても述べた。この問題に関して引き続き政府と協力し、交渉が再開するようなことがあれば、有意義な条件を引き出すため、最大限の努力を払うとした。

 今後、EUとのFTA交渉は、2024年に欧州議会選挙を控えていることなどを理由に、しばらくは進展が望めないと見通されている。
 
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2023/24年度の砂糖生産量と輸出量は、大幅に減少する見込み
 
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、エルニーニョ現象などによる乾燥天候を考慮して、より乾燥に強いキャッサバに転換する農家が増加しており、152万ヘクタール(前年度比6.2%減)とかなりの程度減少すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、収穫面積の減少に加え、エルニーニョ現象による天候不順がサトウキビの生育に大きく影響し、7500万トン(同20.1%減)と大幅な減産が見込まれる。

 砂糖生産量は、サトウキビの減産を受け、915万トン(同21.7%減)と大幅に減少すると見込まれる。輸出量も、砂糖の減産を背景に、623万トン(同24.3%減)と大幅に減少すると見込まれる。



 
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