砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖・異性化糖の国内需給 > 砂糖類の国内需給

砂糖類の国内需給

印刷ページ

最終更新日:2023年12月11日

砂糖類の国内需給

2023年12月

調査情報部

1 需給見通し


 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和5年9月に「令和5砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した(詳細は2023年11月号参照)。









 
1

2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
 
財務省「貿易統計」によると、2023年9月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、14万4233トン(前年同月比21.4%増、前月比3.6倍)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイおよび米国、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ              5990トン
  (前年同月輸入実績なし、前月比49.6%減)
 米国                 19トン
  (前年同月および前月輸入実績なし)
 豪州    13万8224トン
  (前年同月比16.3%増、前月比5.0倍)








 2023年9月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、10万2879円(前年同月輸入実績なし、前月比3.0%安)であった(図3)。

 



 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ       10万2517円
  (前年同月輸入実績なし、前月比3.3%安)
 米国      21万6947円
  (前年同月および前月輸入実績なし)

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万4382円(前年同月比25.8%高、前月比8.5%安)であった(図4)。
 

2

【含みつ糖の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からわずかに減少
 
財務省「貿易統計」によると、2023年9月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、291トン(前年同月比2.3%減、前月比5.7倍)であった(図5)。

 輸入先は中国およびモーリシャスで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国        271トン
  (前年同月比6.3%増、前月比7.1倍)
 モーリシャス    20トン
  (前年同月および前月輸入実績なし)
 







 2023年9月の1トン当たりの輸入価格は、17万1739円(前年同月比1.2%高、前月比30.8%安)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国          16万9642円
  (前年同月比8.4%高、前月比18.4%安)
 モーリシャス    16万8150円
  (前年同月および前月輸入実績なし)
 

3

【加糖調製品の輸入動向】
9月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度減少
 
財務省「貿易統計」によると、2023年9月の加糖調製品の輸入量は、3万4738トン(前年同月比6.8%減、前月比8.5%増)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 


 

4

3 異性化糖の移出動向

10月の移出量は前年同月からわずかに増加

 2023年10月の異性化糖の移出量は、6万2229トン(前年同月比1.2%増、前月比4.6%減)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満       375トン
  (前年同月比4.6%増、前月比1.7%減)
 同40%以上50%未満  1万5775トン
  (同5.5%減、同2.6%減)
 同50%以上60%未満  4万5347トン
  (同2.9%増、同4.8%減)
 同60%以上             732トン
  (同2.2倍、同28.7%減)




 

5

4 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
 
10月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり239〜241円
 大阪                    同239〜241円
 名古屋                         同242円
 関門                            同244円

 上白糖(小袋)
 東京 1キログラム当たり251〜255円
 大阪                  同254〜255円

 本グラニュー糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり244〜246円
 大阪                    同244〜246円
 名古屋                         同247円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり239〜241円
 大阪                    同239〜241円
 名古屋                        同240円

 10月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
    1キログラム当たり166〜167円
 果糖分55%もの     同172〜173円
 

【小売価格】
10月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で39.5円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける10月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、245.5円(前年同月差34.1円高、前月差7.0円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は39.5円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。


(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

6

10月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で65.2円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける10月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、298.0円(前年同月差33.3円高、前月差5.2円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は65.2円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

7

10月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で53.5円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける10月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、286.4円(前年同月差35.7円高、前月差6.4円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は53.5円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

8

【支出金額および購入数量】
9月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり大きく下落
 
総務省「家計調査」によると、2023年9月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は25回、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は71円(前年同月比11.3%安、前月比5.3%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、244グラム(同22.0%減、同0.8%減)であった(図12)。
 



 

9
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272