ホーム > 砂糖 > 調査報告 > 市場調査 > 令和5年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査結果
最終更新日:2024年1月10日
(1)委託調査先
株式会社富士経済
(2)調査実施期間
令和5年4〜9月
(3)調査対象者
・砂糖:ユーザー(食品製造事業者など〈66社〉)
・加糖調製品:ユーザー(食品製造事業者など〈55社〉)
このほか、製糖事業者、流通事業者、加糖調製品輸入者の皆さまにヒアリングを行った。
(5)調査対象期間
令和4年度(令和4年4月〜5年3月)
(6)調査項目
・砂糖および加糖調製品の用途別の消費量
・砂糖および加糖調製品の使用用途
・その他
(7)調査手法
ア 調査対象者に対する調査票の送付および電話や対面などによるヒアリング
イ アのヒアリング結果および各種統計資料などに基づく用途別消費量の推計
(8)その他
ア 本調査における消費量および用途別消費量は、全数調査に基づく調査結果ではなく調査・分析に基づく推計値である。
イ 本稿は委託調査先の報告書を踏まえ、その概要を機構で取りまとめたものである。
ウ 図表は委託調査先報告書「令和5年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査」からの引用である。
イ 加糖調製品
加糖調製品の種類別により細かく用途を見ていくと、ココア調製品は主にチョコレートで使用されているのに対して、ソルビトール調製品や粉乳調製品は幅広い品目で使用されていた(図6)。
ウ 異性化糖
異性化糖の種類別により細かく用途を見ると、果糖ブドウ糖液糖が幅広い品目で使用されており、低温での甘味が砂糖より強いことから、清涼飲料での使用割合が高くなっている。ブドウ糖果糖液糖は、煮豆の照り出しを目的とした使用がみられた(図7)。
エ 高甘味度甘味料
高甘味度甘味料の種類別により細かく用途を見ると、スクラロースが幅広い品目で使用されている一方でアスパルテームは、清涼飲料に使用するとの回答が太宗を占めた。その他の種類および用途には、サッカリンが煮豆・佃煮・漬物、ネオテームがドライゼリー、甘草が調味料・調味食品、羅漢果がその他として回答があった(図8)。
イ 加糖調製品
加糖調製品の使用目的は、143件(使用する加糖調製品の種類による複数回答を含めた延べ件数)中「砂糖の仕入コストの削減」が74件と過半を占める結果となった。別の回答として「甘味調整」が31件、「安定調達」が16件、「省力化」が6件であった。その他の意見としては、粉乳の安定調達のための利用も寄せられており、過去に国内乳原料がひっ迫した経験から加糖調製品を引き続き仕入れていると考えられる(図10)。
ウ 異性化糖
異性化糖の使用目的は、58件(異性化糖の種類による複数回答を含めた延べ件数)中「甘味調整」が51件と圧倒的だった。別の回答として「作業効率向上」「コスト削減」「保水性付与」「照り出し」などがあった(図11)。
エ 高甘味度甘味料
高甘味度甘味料の使用目的は、77件(高甘味度甘味料の種類による複数回答を含めた延べ件数)中「甘味調整(砂糖の代替)」が34件と最も多かった。別の回答として「カロリー抑制」「甘味調整(高甘味度甘味料でしか表現できない味)」が17件、「コスト削減」が7件であり、「色つやをよくするため」という意見もあった。特に近年は砂糖不使用などの商品が増えており、砂糖からの切り替えが一部で行われていると思われる(図12)。
イ 加糖調製品
令和4年度の加糖調製品の仕入量は、「200トン未満」が18社と最も多く「2000トン〜5000トン未満」の10社、「1000トン〜2000トン未満」の8社、「500トン〜1000トン未満」の7社が続く結果になった(図16)。加糖調製品の種類別では、すべての加糖調製品において「200トン未満」が最も多いという結果となった(図17)。
また、令和3年度からの仕入量の増減については、ココア調製品、その他調製品以外の加糖調製品において「減少」が最多であり、これに対しては、商品の集約や分離調達の対応などをしているとの声が挙げられた(図18)。仕入れに関する個別の事例では、コスト環境が厳しい中では、原料原産地表示の問題は仕方がないので、仕入量や調達先の変化はないなどの意見もあった。
ウ 異性化糖
令和3年度からの仕入量の増減については、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合異性化液糖は「増加」が最も大きな構成比となった一方で、ブドウ糖果糖液糖は「減少」が最も大きな構成比を占めた。「増加」については、家飲みや外食向けのチューハイや機能性乳製品の需要が伸びたといった意見があった。一方「減少」では、ガムシロップやジャムなどの需要減により減少したユーザーがみられた(図19)。
エ 高甘味度甘味料
令和3年度からの仕入量の増減については、「横ばい」を除くとスクラロース、ステビアにおいて「増加」が最も大きな構成比となった一方で、アセスルファムKは前年度に好調であった製品で反動減があったことなどが挙げられており、「減少」が最も大きくなった。「増加」については、糖質オフ商品の売り上げが増加したほか、プロテインなど市場が活性化しているカテゴリーがけん引したとみられる(図20)。
イ 異性化糖
異性化糖の価格に対する満足度は、51件(使用する異性化糖の種類による複数回答を含めた延べ件数)中「不満である」が23件と最も多い結果になった。「不満である」との回答の中で、「令和3年に引き続き4年時点でも値上がりが続いており、原料環境が厳しい」との意見がみられた(図22)。
ウ 高甘味度甘味料
高甘味度甘味料の価格に対する満足度は、62件(使用する高甘味度甘味料の種類による複数回答を含めた延べ件数)中「満足している」が26件と最も多い結果になった。「満足している」と回答した中では、「使用量がわずかであるため影響が少ない」といったケースや「価格変動が大きくない」という回答がみられた。また、「不満である」との回答の中で、「価格高騰が続いており厳しい状況であるが、砂糖や加糖調製品なども高騰しているので仕方がない」といった意見があった(図23)