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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2024年2月9日

砂糖類の国内需給

2024年2月

調査情報部

1 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和5年12月に「令和5砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した。
 
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(1)砂糖の消費量

 令和5砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、179万3000トン(前年度比0.7%増)と見通している(表1)。内訳を見ると、引き続き物価高の影響などは見込まれるものの、インバウンド需要の増加など人流増に伴う経済活動の回復が想定されることから、分みつ糖の消費量は176万トン(同0.7%増)と見通している。含みつ糖の消費量は近年の消費動向などを勘案し、3万3000トン(同3.1%増)と見通している。
 
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(2)砂糖の供給量

 令和5砂糖年度の砂糖の供給量は、177万6000トン(前年度比0.8%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は176万1000トン(同0.7%増)、含みつ糖は1万5000トン(同7.1%増)と見通している。国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜糖については、てん菜の作付面積が前年産と比べ7.4%(4101ヘクタール)減少した。作柄については、生育期間中の気温が総じて平年よりも高く推移し、1ヘクタール当たりの収量は平年並みが見込まれる一方、褐斑(かっぱん)病が多発し、根中糖分が著しく低下したことから、産糖量は45万6000トン(前年産比18.9%減)、供給量は45万6000トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比18.8%減)と見通している。甘しゃ糖については、サトウキビの収穫面積が前年産に比べ2.0%(475ヘクタール)減少した。現在の作柄については、一部の島において、春から夏にかけて干ばつがあったことなどに伴い、産糖量は前年を下回る13万4000トン(前年産比3.4%減)、供給量は12万8000トン(前年度比3.4%減)と見通している。

(3)加糖調製品の需給

 令和5砂糖年度の加糖調製品の消費量は、引き続き物価高の影響などは見込まれるものの、インバウンド需要の増加など人流増に伴う経済活動の回復が想定されることから、42万1000トン(前年度比5.3%増)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
 
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(4)異性化糖の需給

 令和5砂糖年度の異性化糖の消費量は、外出機会の増加による需要の回復が見込まれることから、近年の消費動向を踏まえ、78万6000トン(前年度比2.5%増)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
 
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2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月からかなり大きく増加
 
財務省「貿易統計」によると、2023年11月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、13万3230トン(前年同月比14.4%増、前月比70.2%増)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖については輸入実績が無く、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 豪州         13万3230トン
  (前年同月比14.4%増、前月比70.2%増)








 2023年11月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、10万5959円(前年同月比34.1%高、前月比6.1%高)であった(図4)。




 

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【含みつ糖の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月から大幅に減少
 
財務省「貿易統計」によると、2023年11月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、370トン(前年同月比48.2%減、前月比34.6%減)であった(図5)。

 輸入先は中国、フィリピン、ペルーおよびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国                  351トン
  (前年同月比41.7%減、前月比33.4%減)
 フィリピン             13トン
  (同3.3倍、同63.9%減)
 ペルー                  5トン
  (前年同月同、前月輸入実績なし)
 インド                   1トン
  (前年同月輸入実績なし、前月比50.0%減)







 
 2023年11月の1トン当たりの輸入価格は、17万8449円(前年同月比0.5%高、前月比2.1%高)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国               17万2322円
  (前年同月比1.1%安、前月比6.2%高)
 フィリピン        28万4154円
  (同5.8%安、同15.9%安)
 ペルー            25万2200円
  (同1.5%高、前月輸入実績なし)
 インド             32万2000円
  (前年同月輸入実績なし、前月比4.2%高)
 

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【加糖調製品の輸入動向】
11月の加糖調製品の輸入量は前年同月から大幅に減少
 
財務省「貿易統計」によると、2023年11月の加糖調製品の輸入量は、3万1297トン(前年同月比20.3%減、前月比6.6%増)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。




 

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3 異性化糖の移出動向

12月の移出量は前年同月からわずかに減少
 
2023年12月の異性化糖の移出量は、5万7578トン(前年同月比1.4%減、前月比6.6%減)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満          324トン
  (前年同月比27.2%減、前月比1.4%減)
 同40%以上50%未満    1万5978トン
  (同1.0%減、同0.9%減)
 同50%以上60%未満     4万818トン
  (同1.5%減、同8.6%減)
 同60%以上                    457トン
  (同15.8%増、同17.4%減)




 

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4 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
 
12月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり 239〜241円
 大阪                    同239〜241円
 名古屋                         同242円
 関門                                  同244円

 上白糖(小袋)
 東京 1キログラム当たり 251〜255円
 大阪                   同254〜255円

 本グラニュー糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり 244〜246円
 大阪                    同244〜246円
 名古屋                          同247円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京 1キログラム当たり 239〜241円
 大阪                     同239〜241円
 名古屋                         同240円

 12月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
       1キログラム当たり166〜167円
 果糖分55%もの
                          同172〜173円

【小売価格】
12月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で47.8円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける12月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、245.3円(前年同月差30.3円高、前月差2.3円安)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は47.8円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
  関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
  首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
  中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
  関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

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12月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で60.5円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける12月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、300.3円(前年同月差31.2円高、前月差0.4円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった関西との価格差は60.5円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

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12月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で56.6円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける12月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、283.5円(前年同月差31.1円高、前月差3.3円安)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった九州・沖縄などとの価格差は56.6円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

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【支出金額および購入数量】
11月の砂糖の支出金額は前年同月からわずかに下落
 
総務省「家計調査」によると、2023年11月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は30回、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は88円(前年同月比2.2%安、前月比3.5%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、275グラム(同8.9%減、同2.6%増)であった(図12)。
 



 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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