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ありが糖運動〜「ありが糖」の輪の広がり〜

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最終更新日:2024年3月11日

ありが糖運動〜「ありが糖」の輪の広がり〜

2024年3月

 




 


農林水産省農産局地域作物課 価格調整班精製糖係 及川 俊太郎
地域作物第1班甘味資源作物調整指導係 佐々木 悠祐

1 砂糖をめぐる現状

 はじめに、砂糖、甘味資源作物の生産を支える糖価調整制度をはじめとする農林水産行政の推進に当たり、砂糖関係者の皆さまに多大なるご理解とご協力をいただいておりますことに、心より御礼申し上げます。

 砂糖は菓子類、パン、飲料、各種調味料など幅広い食品の製造に不可欠な基礎原料として利用されており、国民の摂取カロリー全体の約8%を占めるとともに食料自給率への寄与度も高く、国民の食生活に欠かせない存在です(図1)。



 

 また、砂糖の原料となるサトウキビは、台風常襲地帯である沖縄・鹿児島の南西諸島において、自然災害に遭っても一定の収量を確保できる代替の利かない基幹作物であり、てん菜は北海道畑作において、連作障害を回避するための輪作体系を構築する重要な作物です。これらの地域において、甘味資源作物の生産は、製糖工場も含めた関連産業と相まって、地域の雇用と経済を支えています。

 しかし近年は、消費者の低甘味嗜好(し こう)や砂糖に関する誤った知識などにより、砂糖の消費量は減少傾向です。農林水産省では、平成30年10月から、農林水産省のウェブサイト上に砂糖に関する総合的な情報サイトを開設し、砂糖に関する正しい情報を提供し、砂糖の需要・消費の拡大を図る「ありが糖運動」を展開しています。今回は「ありが糖運動」の最近の取り組み状況をご紹介します。

2 ありが糖運動の活動紹介

 普段私たちが何気なく消費している砂糖は、エネルギー源となるだけでなく、ストレス解消効果や疲労回復効果をもたらすなど、さまざまな形でわたしたちの生活を豊かにしてくれます。「ありが糖運動」では、その効用に感謝しつつ、菓子やスイーツなどの消費を通じて、幸福感や感謝の気持ちを身近な人と分かち合うことをコンセプトとして、砂糖に関する正しい知識、砂糖の歴史や食文化、生産に関するさまざまな情報を提供しながら、砂糖の需要・消費拡大に取り組んでいます。

(1)SNS・ウェブサイトを使った砂糖に関する情報提供

 令和2年4月1日から「ありが糖運動」SNSを開設し、若手を中心とした担当職員が、砂糖、スイーツに関する情報を毎週水曜日と金曜日に発信しています(図2)。

 令和5年度は、幅広い方々にありが糖運動を身近に感じてもらうという考えの下、地域作物課職員をモデルとした、ありが糖運動PRポスター(画像)を作成し、X(旧Twitter)へ投稿したところ、2.3万人の方にご覧いただきました(令和6年2月20日時点)。また、農林水産省において推進している国産水産物の応援・消費拡大を目的とした「#食べるぜニッポン!」キャンペーンにありが糖運動チームが参加し、砂糖を使った魚料理を紹介しました。

 「ありが糖運動」ウェブサイトでは、毎年、その年の流行スイーツを予想する企画を行っており、日頃から甘いものに関する情報に高いアンテナを張っているありが糖運動チーム全員で流行しそうなスイーツを持ち寄り、それぞれの推しスイーツのイチオシポイントを発表しています。2023年の流行スイーツ予想で紹介した「プヂン」と「進化系クロワッサン」は、料理レシピサイトCookpadの「食トレンド大賞2023」に入賞したところであり、ありが糖運動の認知度向上に向けた取り組みも進めています。本年の流行スイーツも予想していますので、ぜひご覧ください。

(URLはこちら:https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/kansho/kakudai/2024_yosou.html
 


 
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(2)産地との連携

 SNSでは、砂糖を身近に感じてもらいたいという思いから、普段の生活では触れることの少ない、砂糖の原材料であるてん菜やサトウキビの産地を紹介する、産地との連携企画も行っています。昨年4月から10月頃にかけては、「今月のてん菜・さとうきび」という企画にて、各地域や島の情報、産地の取り組みなどを紹介しました(写真1)。

 さらに、令和5年12月からは、日本ビート糖業協会協力のもと、「今月のてん菜糖」と題して、てん菜糖に特化した情報・知識を紹介しています。この企画は令和6年4月頃まで続く予定ですので、ぜひ、ありが糖運動公式SNSをご覧ください。
 
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(3)アンバサダー・参画団体について

 ありが糖運動では、砂糖に関する正しい知識の普及やその需要拡大に資する取り組みを行う方や団体の皆さまを、アンバサダーや参画団体に任命させていただき、連携しながら砂糖に関するイベントなどの情報発信に取り組んでいます。

 これまで、17名にありが糖運動アンバサダー、39団体・約260企業に参画団体となっていただきました(令和5年12月時点)。また、令和5年度はスイーツ好きで有名な芸人の「ぼる塾・田辺智加」さんや、TBS系列「マツコの知らない世界」にも出演された「日本あんこ協会会長・にしいあんこ」さんにアンバサダーになっていただきました。

 また、令和5年度は、日本あんこ協会の後援で開催された「けんぶちあんこフェスティバル」の紹介(写真2)や、株式会社goo-dy.と連携し、地方農政局職員がおすすめする各地方のクリスマススイーツの紹介(写真3)、全日本マカロン協会主催で日本でのマカロンの普及に貢献した方を表彰する「第2回マカロンドヌール顕彰 表彰式」の紹介(写真4)を行いました。

 このほか、3月10日の砂糖の日をはじめとする砂糖やスイーツ関連の日の周知など、参画団体と連携しながら砂糖の消費拡大につながる情報発信に取り組んでいます。



 
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3 ありが糖の輪の広がり

 これまで、菓子業界、飲食業界、製糖業界、黒糖関係者、サトウキビ・てん菜生産者など、幅広く参画を呼びかけ、その主体的な取り組みを応援するとともに、農林水産省ホームページなどを通じて、砂糖に関する正しい知識や魅力などについての情報を発信しました。

 今後も取り組みや情報発信の内容をさらに充実させ、「ありが糖」の輪をさらに広げていきます。「ありが糖運動」の趣旨にご賛同いただき、連携していただける方は、以下連絡先までお気軽にご連絡ください。

 最後に、農林水産省の「ありが糖運動」ホームページとSNSをご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。

◯「ありが糖運動」連絡先


◯「ありが糖運動」ホームページ
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/kansho/kakudai/index.html

◯X(旧Twitter)


◯Facebook


 【略歴】
 ○及川俊太郎
 岩手県奥州市出身
 令和3年4月  農林水産省入省
 令和3年4月〜 大臣官房地方課災害総合対策室
 令和4年4月〜 農産局総務課総括班
 令和5年4月〜 農産局地域作物課価格調整班(現ポスト)

 ○佐々木悠祐
 群馬県高崎市出身
 令和5年4月  農林水産省入省
 令和5年4月〜 農産局地域作物課地域作物第1班(現ポスト)
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272