ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 3 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2024年2月時点予測)
最終更新日:2024年3月11日
2023/24年度の砂糖輸出量は、引き続き大幅に増加の見込み
GlobalData UK LTD.(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)の2024年2月時点の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2023/24年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、846万ヘクタール(前年度比0.3%減)と前年度並みが見込まれている(表)。一方でサトウキビ生産量は、主産地の中南部地域が好天に恵まれたことや単収の増加などから、7億1821万トン(同18.4%増)と大幅な増加が見込まれている。
砂糖生産量は、サトウキビの増産見込みや好天による順調な収穫作業などを背景に、4950万トン(同24.6%増)と大幅に増加し、過去最高水準に達すると見込まれている。輸出量は、引き続きエルニーニョ現象による世界的な天候不順への懸念や国際市場での需要の高まりが期待されることから、3704万トン(同27.8%増)と大幅な増加が見込まれている。
2023/24年度の砂糖輸出量は、減産と政府の輸出制限により大幅に減少する見込み
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、522万ヘクタール(前年度比4.1%減)とやや減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、主産地であるウッタル・プラデーシュ州で前年を上回っているものの、同じく主産地であるマハラシュトラ州では降雨の遅れがサトウキビの成長に影響を及ぼしたことなどから、4億4028万トン(同3.4%減)とやや減少が見込まれている。
砂糖生産量は、同国政府が砂糖への仕向け量を優先させるため、サトウキビ由来のエタノール生産を制限したことを受けて、前回予測からさらに上方修正されたが、マハラシュトラ州でのサトウキビの減産などにより、3406万トン(同3.7%減)とやや減少が見込まれている。なお、同国政府は上述の生産制限を補完するために、エタノール原料としての糖みつの国内利用の促進に向け、24年1月中旬に糖みつ輸出に対し50%の関税を導入した。輸出量は、砂糖の減産見込みに加え同国政府による輸出制限により、372万トン(同56.9%減)と、前年度の半分以下の水準となる大幅な減少が見込まれている。
2023/24年度の砂糖生産量はかなりの程度、輸入量は大幅に増加の見込み
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、116万へクタール(前年度比5.3%増)とやや増加が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、広西チワン族自治区で続いた乾燥による生育への影響が懸念されていたものの、23年8月から9月にかけて一定の降雨があったことで、7063万トン(同12.8%増)とかなり大きな増加が見込まれている。なお、サトウキビの収穫は1月から2月にかけてピークを迎えるが、同自治区と雲南省では、1月の季節外れの降霜が生育の懸念材料となっている。一方で、てん菜の収穫面積は、新疆ウイグル自治区で寒さによる部分的な不作が生じたことなどから、18万ヘクタール(同1.1%減)とわずかな減少が見込まれている。てん菜生産量は、収穫面積が減少する中で単収が増加したことで、925万トン(同6.1%増)とかなりの程度増加が見込まれている。
砂糖生産量は、原料作物の生産回復を背景に、1062万トン(同9.5%増)とかなりの程度増加し、21/22年度の水準にまで回復が見込まれている。輸入量は、需給ギャップを埋めるための一定の輸入量が予想されることから、743万トン(同26.3%増)と大幅な増加が見込まれている。