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最終更新日:2024年4月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(2/1〜3/11)
〜3月限は22セント台で終え、5月限は21セント台から開始〜
2024年2月のニューヨーク粗糖先物相場(3月限)の推移を見ると、1日は、原油安(注1)が重荷となり、1ポンド当たり23.56セント(注2)と値を下げた(図)。2日は、ブラジルの乾燥状態が新年度(2024/25年度)の砂糖生産量を抑えるとの予想から、同23.89セントと反発した。5日以降は、タイ製糖協会が同国の23/24年度の砂糖生産量の見通しを引き下げたことなどにより、9日には、同24.02セントに上昇した。12日以降は、23/24年度のブラジルの増産により、世界の在庫予測が引き上げられたことなどから、15日には、同22.82セントに下落した。16日以降は、ブラジルの天候の見通しやレアル安(注3)のほか、インドでは砂糖の国内需要確保のためにサトウキビのエタノールへの仕向けを制限したことから上下し、23日には、同22.62セントをつけた。26日以降は、インドの24/25年度の砂糖生産量の減少見込みや国際砂糖機関(ISO)が世界の砂糖不足量を前回予測から2倍以上に拡大したことなどから、28日には、同24.01セントまで上昇した。29日は、レアル安により、同22.58セントまで下落し、3月限の納会を迎えた。
期近が5月限を迎えた3月1日は、3月限の決済のための受渡しが価格を押し下げ、同21.09セントをつけた。4日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が23/24年度の増産を発表したことから、同20.60セントと2カ月ぶりの安値となったものの、5日以降は、インド製糖協会(ISMA)の減産見通しなどにより、6日には、同21.45セントに上昇した。7日以降は、欧州委員会による増産報告やブラジルでの降雨の予報などにより、8日は、同21.15セントまで下落したものの、11日は、ショートポジションをカバーするための買い戻し(注4)から上昇し、同21.95セントをつけた。
(注1)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注4)将来の値下がりを期待して売りの持ち高を取っている状態。