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2 国際価格の動向

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最終更新日:2024年5月10日

2 国際価格の動向

2024年5月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(3/1〜4/10)
〜5月限は20セント台から22セント台後半まで上昇するも、4月以降は下落〜


 



 

 2024年3月のニューヨーク粗糖先物相場(5月限(がつぎり))の推移を見ると、1日は、3月限決済分の受渡しが価格を押し下げ、1ポンド当たり21.09セント(注1)をつけた(図)。4日は、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が23/24年度の増産を発表したことから、同20.60セントと2カ月ぶりの安値となったものの、5日以降は、インドの減産見通しなどにより、6日には、同21.45セントに上昇した。7日以降は、欧州委員会による増産報告やブラジルでの雨の予報などにより、8日は、同21.15セントまで下落したものの、11日は、ショートポジションをカバーするための買い戻し(注2)から上昇し、同21.95セントをつけた。12日以降は、ブラジルの砂糖やインドのサトウキビの増産が予想されたことなどから、14日には、同21.77セントまで下落したものの、ガソリン価格が約6カ月ぶりの高値を記録(注3)したことから、18日は、同22.16セントをつけた。19日は、ブラジルのレアル安(注4)により、同21.64セントまで下落したものの、20日以降は、一転してレアル高となったことから、21日には、同22.06セントまで上昇した。その後、22日は、ドル高で下落に転じたものの、25日以降は、米国の砂糖製造者団体がメキシコからの砂糖輸入を削減するよう政府に求めた影響により、26日は、同22.39セントまで上昇した。27日には、ブラジルでの砂糖の増産を受け、同22.19セントまで下落したものの、28日は、原油価格が高値を記録したことなどにより、同22.52セントまで上昇した。

 4月1日は、引き続き原油高により、同22.72セントをつけたものの、2日以降は、インドでの砂糖の増産やタイでの砂糖の生産見込みが予想を上回ったことなどから、3日には、同22.22セントまで下落した。4日は、ブラジルのレアル高で一時的に上昇に転じたものの、5日以降は、タイでの砂糖の生産見込みが予想を上回ったことに起因して供給に対する懸念が和らいだことなどから、再び下落し、10日には、同21.46セントをつけた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)将来の値下がりを期待して売りの持ち高を取っている状態。
(注3)一般に、原油価格(またはガソリン価格)が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注4)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
 

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