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4 日本の主要輸入先の動向(2024年4月時点予測)

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最終更新日:2024年5月10日

4 日本の主要輸入先の動向(2024年4月時点予測)

2024年5月


 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖<HSコード1701.14−110>および甘しゃ糖・その他<同 1701.14−200>の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイである。2023年の主要輸入先の割合を見ると、豪州が91.6%(前年比0.8ポイント増)、タイが8.4%(同0.9ポイント減)と、両国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。


2024/25年度の砂糖輸出量は、わずかに減少する見込み
 2024/25年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、36万ヘクタール(前年度比1.4%増)とわずかな増加が見込まれている(表)。サトウキビの生産量は、主産地であるクイーンズランド州北部が23年12月にサイクロン「ジャスパー」による洪水などの被害を受けたものの、夏季に高温多雨の天候が続いたことにより、サトウキビ自体は非常に順調な生育状態となったことから、3184万トン(同7.0%増)とかなりの程度増加が見込まれている。

 一方、砂糖生産量は、ここ数年、製糖工場における製糖効率の低下(破砕期間の延長)により、サトウキビの収穫期が適期を超過し、サトウキビの可製糖率(CCS)(注)が低下することが課題となっており、410万トン(同1.2%減)とわずかな減少が見込まれている。

 砂糖輸出量は、アジア地域や50年ぶりに輸出が再開された英国向けの需要が引き続き期待されるものの、砂糖の減産見込みにより、304万トン(同1.8%減)とわずかな減少が見込まれている。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。
 
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2023/24年度の砂糖生産量と輸出量は、大幅に減少する見込み
 
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、エルニーニョ現象などによる干ばつ傾向を考慮して、より乾燥に強いキャッサバに転換する農家が増加したことで、152万ヘクタール(前年度比6.2%減)とかなりの程度減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、収穫面積の減少に加え、エルニーニョ現象による天候不順がサトウキビの生育に大きく影響したことで、8200万トン(同12.7%減)とかなり大きな減産が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの減産やこれまでの収穫分のCCSの数値が低いことから、928万トン(同20.6%減)と大幅な減少が見込まれている。同国のサトウキビ・砂糖委員会事務局は、製糖工場に納入されるサトウキビに梢頭(しょう とう)()や葉などの収穫残渣(ざん さ)が多く、今後、砂糖生産量の低下が懸念されるとして、収穫残渣の混入防止策を検討していることを明らかにしている。

 砂糖輸出量は、砂糖生産量の減少を背景に632万トン(同23.2%減)と大幅な減少が見込まれている。

 

 
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