砂糖類の国内需給

　
　農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」（昭和40年法律第109号）により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和6年3月に「令和5砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し（第3回）」を公表した（詳細は2024年5月号参照）。

【粗糖の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月から大幅に増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年3月の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード 1701.14-110）および甘しゃ糖・その他（同1701.14-200の豪州）の輸入量は、10万549トン（前年同月比42.0％増、前月比2.5倍）であった（図1）。

　輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図2）。

　タイ 
　1万978トン　（前年同月比45.0％減、前月比69.2％増）

　豪州 
　8万9571トン　（同76.2％増、同2.7倍）

【含みつ糖の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年3月の含みつ糖（HSコード 1701.13-000、1701.14-190）の輸入量は、1143トン（前年同月比6.0％増、前月比10.7％減）であった（図5）。

　輸入先はタイ、中国、フィリピンおよびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図6）。

　タイ 
　852トン　（前年同月比14.9％減、前月比15.2％減）

　中国 
　255トン　（同3.4倍、同6.9％減）

　フィリピン 
　33トン　（前年同月および前月輸入実績なし）

　インド 
　3トン　　（前年同月比3.0倍、前月輸入実績なし）

　2024年3月の1トン当たりの輸入価格は、16万8427円（前年同月比23.4％高、前月比1.0％安）であった（図7）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
　
　タイ 
　15万8899円　（前年同月比18.7％高、前月比6.3％安）

　中国 
　17万5525円　（同11.4％高、同2.0％高）

　フィリピン 
　34万3545円　（前年同月および前月輸入実績なし）

　インド 
　34万4667円　（前年同月比38.0％安、前月輸入実績なし）
 

【加糖調製品の輸入動向】
3月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
　財務省「貿易統計」によると、2024年3月の加糖調製品の輸入量は、3万787トン（前年同月比12.3％減、前月比21.9％増）であった（図8）。

　品目別の輸入量は、表4の通りであった。
 

4月の移出量は前年同月からわずかに減少
　2024年4月の異性化糖の移出量は、7万6691トン（前年同月比1.1％減、前月比7.9％増）であった（図9）。

　同月の規格別の移出量は、次の通りであった（図10）。

　果糖含有率40％未満 
　437トン　（前年同月比4.2％増、前月比13.8％増）

　同40％以上50％未満
　1万9439トン　（同0.3％増、同4.5％増）

　同50％以上60％未満
　5万5757トン　（同1.8％減、同9.2％増）

　同60％以上 
　1059トン　（同10.0％増、同5.6％増）

【市場価格】
砂糖・異性化糖ともに前月と同水準で推移
　4月の糖種別・地域別の砂糖価格（日経相場）は、次の通りであった。

　上白糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり249〜251円

　大阪 
　同249〜251円

　名古屋 
　同252円

　関門 
　同254円

　上白糖（小袋）
　東京
　1キログラム当たり261〜265円

　大阪 
　同264〜265円

　本グラニュー糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり254〜256円

　大阪 
　同254〜256円

　名古屋 
　同257円

　ビート・グラニュー糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり249〜251円
　
　大阪 
　同249〜251円

　名古屋 
　同250円

　4月の異性化糖の価格（日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25％）は、次の通りであった。

　果糖分42％もの
　1キログラム当たり166〜167円

　果糖分55％もの 
　同172〜173円

【小売価格】
4月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で54.3円
　KSP-POSデータ（全国501店舗）（全国501店舗）によると、スーパーにおける4月の上白糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、254.1円（前年同月差28.6円高、前月差1.9円高）であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は54.3円であった。

　同月の地域別^（注）の平均小売価格は、次の通りであった（表5）。

（注）地域の内訳は、次の通りである（以下同じ）。
　　　関東など：茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
　　　首都圏：東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
　　　中部：新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
　　　関西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

4月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で68.6円
　KSP-POSデータ（全国501店舗）によると、スーパーにおける4月のグラニュー糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、309.5円（前年同月差34.2円高、前月差1.5円高）であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は68.6円であった。

　同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表6）。
 

4月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で67.4円
　KSP-POSデータ（全国501店舗）によると、スーパーにおける4月の三温糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、296.1円（前年同月差34.0円高、前月差3.4円高）であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は67.4円であった。

　同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表7）。
 

【支出金額および購入数量】
3月の砂糖の支出金額は前年同月から大幅に上昇
　総務省「家計調査」によると、2024年3月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は31回、1世帯（二人以上）当たりの支出金額は91円（前年同月比16.7％高、前月比3.4％高）であった（図11）。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、290グラム（同6.6％増、同9.8％増）であった（図12）。