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5 日本の主要輸入先の動向(2024年6月時点予測)

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最終更新日:2024年7月10日

5 日本の主要輸入先の動向(2024年6月時点予測)

2024年7月


 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖<HSコード1701.14−110>および甘しゃ糖・その他<同 1701.14−200>の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイである。2023年の主要輸入先の割合を見ると、豪州が91.6%(前年比0.8ポイント増)、タイが8.4%(同0.9ポイント減)と、両国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。
 



2024/25年度の砂糖輸出量はかなりの程度減少する見込み
 
2024/25年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、36万ヘクタール(前年度比1.4%増)とわずかな増加が見込まれている(表)。サトウキビの生産量は、4月に主産地であるクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の一部が豪雨に見舞われたものの、サトウキビにとっては恵みの雨となったとみられ、3184万トン(同7.0%増)とかなりの程度増加が見込まれている。なお、降雨は、サトウキビの収量増加に有利に働くが、著しい豪雨などにより圃場(ほ じょう)が湛水状態になるとサトウキビの生育にも悪影響を及ぼすことがある。

 砂糖生産量は、5月予測と同じく410万トン(同1.2%減)とわずかな減少が見込まれている。一部報道では、豪州最大の製糖会社が所有する八つの製糖工場で労働者によるストライキが発生した影響で、サトウキビの破砕開始の遅れが懸念されている。砂糖輸出量は、アジア地域や50年ぶりに輸出が再開された英国向けの需要が引き続き期待されるものの、砂糖の減産見込みに加え、23/24年度の輸出量が上方修正されたことにより、308万トン(同8.2%減)とかなりの程度減少が見込まれている。
 



 

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2023/24年度の砂糖生産量と輸出量はサトウキビの減産により、大幅に減少する見込み
 
2023/24年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、エルニーニョ現象などによる干ばつの影響を考慮して、より乾燥に強いキャッサバへの作付けに転換する農家が増加したことで、152万ヘクタール(前年度比6.2%減)とかなりの程度減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、収穫面積の減少に加え、エルニーニョ現象による天候不順で不作傾向となったことなどから、8217万トン(同12.5%減)とかなり大きな減産が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの減産やこれまでの収穫分の可製糖率(CCS)(注)の数値が低いことから、929万トン(同20.4%減)と大幅な減少が見込まれている。砂糖輸出量は、砂糖生産量の減少を背景に634万トン(同20.8%減)と大幅な減少が見込まれている。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。




 

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