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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2024年7月10日

砂糖類の国内需給

2024年7月

調査情報部
 

1 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和6年3月に「令和5砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した(詳細は2024年5月号参照)

 

 

 

 

2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2024年4月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、5万4624トン(前年同月比21.5%増、前月比45.7%減)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

タイ
1995トン(前年同月輸入実績なし、前月比81.8%減)

豪州
5万2629トン(前年同月比17.0%増、同41.2%減)

 

 

 2024年4月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、9万2616円(前年同月輸入実績なし、前月比1.4%高)であった(図3)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ
9万2616円(前年同月輸入実績なし、前月比1.4%高)

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万2606円(前年同月比16.3%高、前月比0.7%高)であった(図4)。

 

 

【含みつ糖の輸入動向】
4月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少

 財務省「貿易統計」によると、2024年4月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、745トン(前年同月比11.9%減、前月比34.8%減)であった(図5)。

 輸入先は中国、タイ、ボリビア、インドおよびフィリピンで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

中国
385トン(前年同月比43.1%増、前月比51.0%増)

タイ
314トン(同40.5%減、同63.1%減)

ボリビア
40トン(前年同月および前月輸入実績なし)

インド
5トン(前年同月輸入実績なし、前月比66.7%増)

フィリピン
1トン(前年同月比98.0%減、同97.0%減)

 

 

 2024年4月の1トン当たりの輸入価格は、17万7749円(前年同月比19.7%高、前月比5.5%高)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国
18万4535円(前年同月比17.0%高、前月比5.1%高)

タイ
15万8360円(同22.3%高、同0.3%安)

ボリビア
22万6650円(前年同月および前月輸入実績なし)

インド
40万6200円(前年同月輸入実績なし、前月比17.9%高)

フィリピン
55万5000円(前年同月比88.1%高、同61.6%高)

 

【加糖調製品の輸入動向】
4月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度減少

 財務省「貿易統計」によると、2024年4月の加糖調製品の輸入量は、3万759トン(前年同月比8.5%減、前月比0.1%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 

 

3 異性化糖の移出動向

5月の移出量は前年同月からわずかに増加
 2024年5月の異性化糖の移出量は、7万5370トン(前年同月比2.0%増、前月比1.7%減)であった(図9)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図10)。

果糖含有率40%未満
311トン(前年同月比14.5%減、前月比28.9%減)

同40%以上50%未満
1万8829トン(同2.9%増、同3.1%減)

同50%以上60%未満
5万5227トン(同1.5%増、同1.0%減)

同60%以上
1004トン(同22.4%増、同5.2%減)

 

 

4 価格動向

【市場価格】
砂糖・異性化糖ともに前月と同水準で推移

 5月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京
1キログラム当たり249〜251円

大阪
同249〜251円

名古屋
同252円

関門
同254円
 
上白糖(小袋)
東京
1キログラム当たり261〜265円

大阪
同264〜265円
 
本グラニュー糖(大袋)
東京
1キログラム当たり254〜256円

大阪
同254〜256円

名古屋
同257円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京
1キログラム当たり249〜251円

大阪
同249〜251円

名古屋
同250円
 
 5月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの
1キログラム当たり166〜167円

果糖分55%もの
同172〜173円

【小売価格】
5月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で54.7円

 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける5月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、258.0円(前年同月差26.9円高、前月差3.9円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は54.7円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。
 
(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

 
 

 

5月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で67.1円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける5月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、313.6円(前年同月差34.1円高、前月差4.1円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は67.1円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

 

5月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で63.7円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける5月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、300.1円(前年同月差32.8円高、前月差4.0円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は63.7円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

 

【支出金額および購入数量】
4月の砂糖の支出金額は前年同月からかなりの程度上昇

 総務省「家計調査」によると、2024年4月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は28回、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は85円(前年同月比10.4%高、前月比6.6%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、247グラム(同13.0%減、同14.8%減)であった(図12)。

 

 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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