10アール当たり収量は、高温と周期的な降雨により根部の肥大が進み、前年から238キログラム増加し6661キログラム(前年比103.7%)となり、直近10年の平均を194キログラム上回ったが、生産量は、作付面積の減少に伴い、前年より14万1853トン減少し340万2659トン(同96.0%)となった。
根中糖分については、夏から秋の最低気温が高かったことに加え、7月以降の高温多湿条件により褐斑病が多発したことから、昭和61年の糖分取引開始以降、最低の13.7%となった(表2、図2)。
品種別の作付け構成は、「カーベ2K314」(31.7%)、「パピリカ」(26.0%)、「ライエン」(17.9%)の順となっている(表3)。
「カーベ2K314」は、褐斑病やそう根病の抵抗性が優れており、「パピリカ」は、そう根病抵抗性に優れ根重が多く、平成29年に優良品種に認定された「ライエン」は、そう根病抵抗性に優れ糖量が多いことから、作付け割合が高くなっている。
てん菜の作付け戸数は全道的に減少傾向が続いており、令和5年産は前年より298戸減少(4.6%減)、10年前と比べると1431戸減少し(18.7%減)、6233戸となった。一方、1戸当たりの作付面積は8.2ヘクタールと、令和3年をピークに減少傾向にあるが、10年前と比べると0.6ヘクタール増加している(図3)。
労働力不足の中でこうした作付け規模の拡大に対応するため、近年では、春の育苗・移植作業に要する労働力を大幅に削減できる直播栽培に取り組む地域が増加傾向にあり、5年産の直播栽培の面積は、前年より429ヘクタール増加の2万2635ヘクタール(作付面積の44.3%)となっている(図4)。