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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2024年8月9日

砂糖類の国内需給

2024年8月

調査情報部

1 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和6年6月に公表した「令和5砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」の概要は、次の通り。
 
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(1)砂糖の消費量

 令和5砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、179万トン(前年度比0.5%増)と見通している(表1)。内訳を見ると、増加の要因として加糖調製品からの置き換えや引き続きインバウンド需要の増加など人流増に伴う経済活動の回復が見込まれる一方で、減少の要因として、電気・ガス料金の上昇など物価高の影響が想定されることから、分みつ糖の消費量は175万6000トン(同0.5%増)と見通している。含みつ糖の消費量は近年の消費動向などを勘案し、3万4000トン(同6.3%増)と見通している。
 
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(2)砂糖の供給量

 令和5砂糖年度の砂糖の供給量は、174万4000トン(前年度比1.0%減)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は172万9000トン(同1.1%減)、含みつ糖は1万6000トン(同14.3%増)と見通している。国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜糖については、5年産のてん菜の作付面積が前年産と比べ7.4%(4101ヘクタール)減少した。作柄については、生育期間中の気温が総じて平年よりも高く推移し、1ヘクタール当たりの収量は平年並みとなる一方、褐斑病(かっ ぱん びょう)の多発により根中糖分が著しく低下したことから、産糖量は44万8000トン(前年産比20.3%減)、供給量は44万7000トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比20.5%減)と見通している。甘しゃ糖については、5年産のサトウキビの収穫面積が前年産に比べ2.0%(475ヘクタール)減少した。作柄については、一部の島において、春から夏にかけて干ばつがあったことなどに伴い、産糖量は前年を下回る13万4000トン(前年産比3.3%減)、供給量は12万8000トン(前年度比3.3%減)と見通している。

(3)加糖調製品の需給

 令和5砂糖年度の加糖調製品の消費量は、輸入価格の上昇などにより昨年の大幅減少からの回復は限定的となり、35万8000トン(前年度比10.5%減)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
 
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(4)異性化糖の需給

 令和5砂糖年度の異性化糖の消費量は、外出機会の増加による需要の回復が見込まれることから、近年の消費動向を踏まえ、78万6000トン(前年度比2.5%増)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
 
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2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2024年5月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、12万5656トン(前年同月比21.2%増、前月比2.3倍)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイおよび米国、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ 
 2万21トン(前年同月比4.5%減、前月比10.0倍)

 米国 
 19トン(前年同月および前月輸入実績なし)

 豪州 
 10万5616トン(前年同月比27.7%増、前月比2.0倍)







 

 
 2024年5月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、10万1172円(前年同月比14.1%高、前月比9.2%高)であった(図3)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ 
 10万1043円(前年同月比13.9%高、前月比9.1%高)

 米国 
 23万6474円(前年同月および前月輸入実績なし)
 




 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万5639円(前年同月比3.8%高、前月比3.3%高)であった(図4)。
 

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【含みつ糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加
 
財務省「貿易統計」によると、2024年5月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、508トン(前年同月比56.3%増、前月比31.8%減)であった(図5)。

 輸入先は中国、タイ、フィリピンおよびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国 
 431トン(前年同月比2.5倍、前月比11.9%増)

 タイ 
 42トン(同71.2%減、同86.6%減)

 フィリピン 
 34トン(同8.5倍、同34倍)

 インド 
 1トン(同66.7%減、同80.0%減)








 2024年5月の1トン当たりの輸入価格は、18万5350円(前年同月比32.8%高、前月比4.3%高)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国 
 18万2650円(前年同月比14.8%高、前月比1.0%安)

 タイ 
 15万9262円(同47.8%高、同0.6%高)

 フィリピン 
 24万8235円(同30.2%安、同55.3%安)
 
 インド 
 30万7000円(同10.7%高、前月比24.4%安)
 

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【加糖調製品の輸入動向】
5月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度減少
 
財務省「貿易統計」によると、2024年5月の加糖調製品の輸入量は、2万9615トン(前年同月比9.0%減、前月比3.7%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。
 



 

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3 異性化糖の移出動向

6月の移出量は前年同月並み
 
2024年6月の異性化糖の移出量は、7万8215トン(前年同月比0.2%減、前月比3.8%増)であった(図9)。

 同月の種類別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満 
 285トン(前年同月比37.0%減、前月比8.2%減)

 同40%以上50%未満
 1万9125トン(同1.4%減、同1.6%増)

 同50%以上60%未満
 5万7559トン(同0.4%減、同4.2%増)

 同60%以上 
 1246トン(同71.7%増、同24.1%増)




 

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4 価格動向

【市場価格】
砂糖・異性化糖ともに前月と同水準で推移
 
6月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪 
 同249〜251円

 名古屋 
 同252円

 関門 
 同254円

 上白糖(小袋)
 東京
 1キログラム当たり261〜265円

 大阪 
 同264〜265円

 本グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり254〜256円

 大阪 
 同254〜256円

 名古屋 
 同257円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪 
 同249〜251円

 名古屋 
 同250円

 6月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
 1キログラム当たり166〜167円

 果糖分55%もの 
 同172〜173円

【小売価格】
6月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で68.4円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける6月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、258.9円(前年同月差27.4円高、前月差0.9円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かった関東などとの価格差は68.4円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   
中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   
関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

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6月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で67.5円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける6月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、315.2円(前年同月差34.0円高、前月差1.5円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は67.5円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

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6月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で63.7円
 KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける6月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、301.4円(前年同月差31.2円高、前月差1.3円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は63.7円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

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【支出金額および購入数量】
5月の砂糖の支出金額は前年同月からやや上昇
 
総務省「家計調査」によると、2024年5月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は31回、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は103円(前年同月比3.0%高、前月比21.2%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、325グラム(同6.9%増、同31.6%増)であった(図12)。
 



 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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