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2 国際価格の動向

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最終更新日:2024年9月10日

2 国際価格の動向

2024年9月

 

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(7/1〜8/8)
〜世界的な砂糖の余剰予測などにより、一時17セント台まで下落〜

 


 

 2024年7月のニューヨーク粗糖先物相場(10月限(がつ ぎり))の推移を見ると、1日はレアル安(注1)により前取引日から下落したが、2日はインドやブラジルでの平年を下回る降水量がサトウキビ減収への懸念材料となり、1ポンド当たり20.61セント(注2)と上昇した。3日以降はインド砂糖・バイオエネルギー製造業者協会(ISMA)が政府に対し、2023/24年度産砂糖の余剰分について輸出許可を要請したことなどから、9日には同19.62セントまで下落した。10日はレアル高により同19.81セントと上昇したが、11日以降はブラジル産砂糖の増産により下落し、12日には同19.20セントをつけた。15日はモンスーン期中のインドの降水量が平年を下回ったことで上昇に転じたが、16日以降は原油安(注3)や民間コンサル会社による24/25年度産砂糖の世界的な余剰予測により下落した。22日以降は中国人民銀行の利下げや日本のGDP見通しの下方修正など世界経済への先行き不安からさらに下落し、24日には同17.91セントと22年10月以来となる17セント台をつけた。25日以降はブラジルの中南部地域で7月前半の砂糖生産量が前年度実績を下回ったことなどから上昇し、30日には同19.12セントをつけた。31日以降はインドの降水量回復による砂糖の増産見込みなど供給不安が和らいだことで下落し、8月6日には同17.87セントまで下落した。7日以降はレアル高やインドの砂糖輸出規制の継続が発表されたことから、8日は同18.57セントまで上昇した。

(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
 

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