ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際価格の動き > 2 主要国の砂糖需給(2024年9月時点予測)
最終更新日:2024年10月10日
【生産量】
ブラジルは、干ばつ傾向にある中でもサトウキビの収量は一定程度確保されるものの、搾汁液の純度が低いことで前回の増加予測から一転し、4661万トン(前年度比5.5%減)とやや減少が見込まれている(図)。
インドは、モンスーンの降雨によりサトウキビが順調に生育し、収量は期待できるものの、赤腐病(red rot)(注1)の発生や政府が製糖工場でのサトウキビ由来のエタノール生産制限を解除したことから、3158万トン(同8.9%減)とかなりの程度減少が見込まれている。
EUは、2024/25年産の作付けが遅れて湿潤した土壌での生育となったものの、天候の回復に加え、主産地の多くで懸念されていた萎黄病(注2)の被害が予想よりも少なかったことから、1761万トン(同7.5%増)とかなりの程度増加が見込まれている。
中国は、生産者がトウモロコシやばれいしょなどからサトウキビやてん菜に作付けを転換したことに加え、サトウキビの主産地である広西チワン族自治区と雲南省が天候に恵まれたことで収量も期待できることから、1169万トン(同25.5%増)と大幅な増加が見込まれている。
【輸入量】
中国は、国内の需給ギャップを埋めるため、ブラジルからの輸入を軸に一定の輸入量が見込まれるものの、政府が7月から保税倉庫に保管された輸入精製糖から液糖やプレミックス製品の生産に仕向けることを制限する新たな規制を導入したことから、584万トン(同20.3%減)と大幅な減少が見込まれている。
インドネシアは、人口の増加に伴い消費量が順調に伸びていることから、673万トン(同20.6%増)と大幅に増加し、中国を抜いて輸入量第1位になると見込まれている。
【消費量】
インドは、堅調な需要に後押しされ、3197万トン(同2.1%増)とわずかに増加し、世界の砂糖総消費量の17%を占めると見込まれている。
EU、ブラジルなどが前年度並みと見込まれる中、消費量第3位の中国は、1706万トン(同0.6%増)、インドネシアは、人口の増加に伴う消費量の増加から、910万トン(同2.8%増)といずれもわずかに増加すると見込まれている。
【輸出量】
ブラジルは、生産量の減少とともに3630万トン(同3.7%減)とやや減少する一方、タイは、収穫面積の増加などにより増産が見込まれることから、852万トン(同36.6%増)と大幅な増加が見込まれている。
インドは、政府による砂糖の輸出制限が継続されていることやサトウキビ由来のエタノール生産解禁により、310万トン(同25.5%減)と大幅な減少が見込まれている。
(注1)真菌の感染によって引き起こされる病気で、茎の内部が腐り、赤色に変色する。サトウキビの単収や砂糖の回収率に深刻な影響を与えるとされている。
(注2)アブラムシによって媒介される植物ウイルス病。