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3 国際価格の動向

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最終更新日:2024年10月10日

3 国際価格の動向

2024年10月

 

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(8/1〜9/10)
〜主要国での増産見込みで1年10カ月ぶりの安値の後、ブラジルの火災被害により一時急騰〜

 


 


 2024年8月のニューヨーク粗糖先物相場(10月限(がつ ぎり))の推移を見ると、7月末にインドのモンスーン期の降水量が回復したとする報道によりサトウキビの増産が見込まれたことで、1日は1ポンド当たり18.50セント(注1)をつけ、6日には同17.87セントまで下落した。7日以降はレアル高(注2)やインドの砂糖輸出規制の継続が発表され、8日は同18.57セントまで上昇した。9日以降はブラジルやインドでの増産見込みにより緩やかに下落し、16日以降はレアル高で一時上昇したものの、主要国の増産見込みは相場を押し下げ、20日には同17.57セントと1年10カ月ぶりの安値を記録した。21日以降はドル安やブラジル国家食糧供給公社(CONAB)による生産予測が下方修正されたことなどから相場が上昇する中で、23日にはブラジルのサンパウロ州で発生した火災被害により減産懸念が強まり、27日には同19.60セントまで急騰した。28日はブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)がブラジル中南部の増産を報告したことから小幅に値を下げたものの、同火災が相場に強く影響し、29日は同19.89セントまで上昇した。30日はレアル安により、同19.38セントと下落した。

 9月に入ると、火災被害による減産懸念が続く中、8月末に国際砂糖機関(ISO)が24/25年度の世界の砂糖供給量を下方修正したことやインド政府が製糖工場でのサトウキビ由来のエタノール生産制限を解除したことなどから、3日は同19.49セントと上昇した。4日以降は原油安(注3)やインドのモンスーン期の降水量が平年を上回ったことでサトウキビの増産期待から下落し、10日は同18.47セントをつけた。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
 

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