砂糖類の国内需給

【粗糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
　財務省「貿易統計」によると、2024年7月の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード 1701.14-110）および甘しゃ糖・その他（同1701.14-200の豪州）の輸入量は、9万5650トン（前年同月比20.9％減、前月比32.4％減）であった（図1）。

　輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図2）。

　タイ
　9652トン（前年同月比32.4％増、前月比66.6％減）

　豪州
　8万5998トン（同24.3％減、同23.6％減）

　2024年7月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、8万8630円（前年同月比4.3％安、前月比9.5％安）であった（図3）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　タイ
　8万8630円（前年同月比4.2％安、前月比9.5％安）

　また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、8万9718円（前年同月比10.4％安、前月比1.7％高）であった（図4）。

 

【含みつ糖の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
　財務省「貿易統計」によると、2024年7月の含みつ糖（HSコード 1701.13-000、1701.14-190）の輸入量は、247トン（前年同月比53.7％減、前月比65.2％減）であった（図5）。

　輸入先は中国、フィリピン、インドおよび台湾で、国・地域別の輸入量は次の通りであった（図6）。

　中国
　209トン（前年同月比43.8％減、前月比57.3％減）

　フィリピン
　35トン（同2.5倍、同32.7％減）

　インド
　2トン（同2.0倍、前月輸入実績なし）

　台湾
　1トン（前年同月および前月輸入実績なし）

　2024年7月の1トン当たりの輸入価格は、22万2255円（前年同月比44.3％高、前月比24.2％高）であった（図7）。

　国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

　中国
　20万254円（前年同月比26.9％高、前月比9.3％高）

　フィリピン
　34万2514円（同3.2％高、同34.8％高）

　インド
　33万1500円（同59.4％高、前月輸入実績なし）

　台湾
　39万3000円（前年同月および前月輸入実績なし）
 

【加糖調製品の輸入動向】
7月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
　財務省「貿易統計」によると、2024年7月の加糖調製品の輸入量は、3万5000トン（前年同月比6.6％増、前月比14.0％増）であった（図8）。

　品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 

8月の移出量は前年同月からわずかに減少
　2024年8月の異性化糖の移出量は、6万9186トン（前年同月比2.2％減、前月比21.2％減）であった（図9）。

　同月の種類別の移出量は、次の通りであった（図10）。

　果糖含有率40％未満
　232トン（前年同月比36.4％減、前月比30.5％減）

　同40％以上50％未満
　1万6969トン（同4.1％減、同18.8％減）

　同50％以上60％未満
　5万1020トン（同1.9％減、同21.9％減）

　同60％以上
　965トン（同32.1％増、同25.1％減）

【市場価格】
砂糖・異性化糖ともに前月と同水準で推移
　8月の糖種別・地域別の砂糖価格（日経相場）は、次の通りであった。

　上白糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり249〜251円

　大阪
　同249〜251円

　名古屋
　同252円
　
　関門
　同254円

　上白糖（小袋）
　東京
　1キログラム当たり261〜265円

　大阪
　同264〜265円

　本グラニュー糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり254〜256円

　大阪
　同254〜256円

　名古屋
　同257円

　ビート・グラニュー糖（大袋）
　東京
　1キログラム当たり249〜251円

　大阪
　同249〜251円

　名古屋
　同250円

　8月の異性化糖の価格（日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25％）は、次の通りであった。

　果糖分42％もの
　1キログラム当たり166〜167円

　果糖分55％もの
　同172〜173円

【小売価格】
8月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で57.4円
　KSP-POSデータ（全国501店舗）によると、スーパーにおける8月の上白糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、260.7円（前年同月差28.1円高、前月差0.7円高）であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は57.4円であった。

　同月の地域別^（注）の平均小売価格は、次の通りであった（表5）。

（注）地域の内訳は、次の通りである（以下同じ）。
　　関東など：茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
　　首都圏：東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
　　中部：新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
　　関西：大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

8月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.8円
　KSP-POSデータ（全国501店舗）によると、スーパーにおける8月のグラニュー糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、318.3円（前年同月差30.0円高、前月差0.7円高）であった。最も高かったのは東北で、最も安かった関西との価格差は72.8円であった。

　同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表6）。

8月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で69.1円
　KSP-POSデータ（全国501店舗）によると、スーパーにおける8月の三温糖小袋（1キログラム）の平均小売価格は、303.5円（前年同月差31.0円高、前月差2.2円高）であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は69.1円であった。

　同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった（表7）。

【支出金額および購入数量】
7月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり大きく上昇
　総務省「家計調査」によると、2024年7月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は28回、1世帯（二人以上）当たりの支出金額は102円（前年同月比14.6％高、前月比22.1％安）であった（図11）。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、283グラム（同6.4％増、同19.1％減）であった（図12）。