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最終更新日:2024年11月11日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(9/3〜10/10)
〜9月はブラジルの干ばつによる砂糖生産の見通し悪化により価格が急騰〜
2024年9月のニューヨーク粗糖先物相場(10月限)の推移を見ると、ブラジルの火災被害による減産懸念が続く中、8月末に国際砂糖機関(ISO)が2024/25年度の世界の砂糖供給量を下方修正したことやインド政府が製糖工場でのサトウキビ由来のエタノール生産制限を解除したことなどから、3日は前取引日から1ポンド当たり0.11セント上げて同19.49セント (注1)となった。4日以降は原油安(注2)やインドのモンスーン期の降水量が平年を上回ったことによるサトウキビの増産期待により下落を続け、10日は同18.47セントをつけた。11日以降は原油高に加え、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)がブラジル中南部地域の減産を発表したことで上昇し、12日には同19.07セントをつけた。13日は原油安で一時的に下落したものの、16日以降はレアル高(注3)などに加えてブラジルの干ばつがサトウキビの作柄悪化の懸念材料となり、価格を急激に押し上げた。その結果、20日には同22.66セントと5カ月ぶりの高値となった。23日はレアル安で一時的に価格が下落したが、24日以降はブラジルの干ばつによる砂糖生産の見通し悪化により再び上昇し、25日には同23.42セントをつけた。26日以降はインド産およびタイ産の生産見通しの改善に起因した世界的な砂糖余剰拡大の見通しから、30日には同22.67セントと値を落として納会した。
10月に入り期近が3月限に切り替わると、1日は原油高により同22.97セントをつけたものの、2日はブラジルの降雨予報で干ばつの懸念が和らいだことにより、同22.68セントと値を下げた。3日は原油高により上昇したが、4日以降はブラジルの降雨予報などで再び下落に転じ、9日には同22.04セントとなった。10日は原油高を受け、同22.16セントと緩やかに上昇した。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。