3　世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向（2024年10月時点予測）

 

2024/25年度のサトウキビ生産量はかなりの程度減少する見込み
　2024/25年度（4月〜翌3月）のサトウキビ収穫面積は、873万ヘクタール（前年度比3.8％増）とやや増加が見込まれている（表）。一方、サトウキビ生産量は、主産地の中南部地域で続く干ばつや森林火災の影響を受け、6億6000万トン（同7.5％減）とかなりの程度減少が見込まれている。

　砂糖生産量は、干ばつや森林火災がサトウキビの品質や収量に悪影響を及ぼしていることから、4582万トン（同7.1％減）とかなりの程度減少が見込まれている。砂糖輸出量は、インド産砂糖の輸出制限から、引き続き国際市場でのブラジル産砂糖の堅調な需要が期待されるものの、減産を背景に3551万トン（同5.8％減）とやや減少が見込まれている。

 

 

2024/25年度の砂糖輸出量は輸出制限の継続により大幅に減少する見込み
　2024/25年度（10月〜翌9月）のサトウキビ収穫面積は、517万ヘクタール（前年度比6.8％減）とかなりの程度減少が見込まれている（表）。サトウキビ生産量は、モンスーンにより雨量は十分に確保できたものの、主産地である北部で赤腐病（red rot）の拡大が懸念されていることなどから、4億2642万トン（同4.1％減）とやや減少が見込まれている。

　砂糖生産量は、インド政府が製糖工場でのサトウキビ由来のエタノール生産制限を解除したことなどから、3132万トン（同9.7％減）とかなりの程度減少が見込まれている。砂糖輸出量は、政府による輸出制限の継続やサトウキビ由来のエタノール生産解禁により、332万トン（同19.4％減）と大幅な減少が見込まれている。
 

 

2024/25年度の砂糖輸入量は大幅に減少する見込み
　2024/25年度（10月〜翌9月）のサトウキビの収穫面積は、118万へクタール（前年度比7.3％増）とかなりの程度増加が見込まれている（表）。サトウキビ生産量は、9月の台風で広西チワン族自治区の一部が深刻な被害にあったものの、サトウキビの生育は例年より多い降雨量に支えられて順調であったことから、7418万トン（同1.5％増）とわずかな増加が見込まれている。

　てん菜の収穫面積は、22万ヘクタール（同29.3％増）と大幅な増加が見込まれている。てん菜生産量は、収穫面積の増加と良好な生育状況により、1137万トン（同21.3％増）と大幅な増加が見込まれている。

　砂糖生産量は、内モンゴル自治区の8月以降のまとまった雨がてん菜の根中糖分の上昇を妨げることが懸念されるものの、原料作物の増産を背景に1138万トン（同5.7％増）とやや増加が見込まれている。砂糖輸入量は、引き続き需給ギャップ是正のために一定の輸入量が予想されているものの、政府が7月から保税倉庫に保管された輸入精製糖を液糖やプレミックス製品の生産に仕向けることを制限する新たな規制を導入したことから、575万トン（同21.7％減）と大幅な減少が見込まれている。