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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2024年11月11日

砂糖類の国内需給

2024年11月

調査情報部
 

1 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和6年9月に公表した「令和6砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」の概要は、次の通り。
 
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(1)砂糖の消費量

 令和6砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、178万6000トン(前年度比0.4%増)と見通している(表1)。内訳を見ると、増加の要因として引き続きインバウンド需要の増加など人流増に伴う経済活動の回復が見込まれる一方で、減少の要因として、10月に多くの品目の値上げが予想されるなど物価高の影響が想定されることから、分みつ糖の消費量は175万トン(同0.4%増)と見通している。含みつ糖の消費量は近年の消費動向などを勘案し、3万6000トン(同2.9%増)と見通している。
 
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(2)砂糖の供給量

 令和6砂糖年度の砂糖の供給量は、178万3000トン(前年度比2.9%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は176万7000トン(同2.9%増)、含みつ糖は1万6000トン(同6.7%増)と見通している。

 国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜糖については、6年産のてん菜の作付面積が前年産と比べ4.4%(2234ヘクタール)減少した。作柄については、気温が高く推移し、生育は平年より早く進んでおり、現時点ではおおむね平年並みから平年をやや上回る程度と見込んでいる一方、褐斑(かっ ぱん)病の発生が全道各地で確認されており、9月の気温が平年より高い予報であることから、その発生量は平年より多いと見込んでいる。産糖量は52万2000トン(前年産比16.6%増)、供給量は52万1000トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比16.6%増)と見通している。甘しゃ糖については、6年産のサトウキビの収穫面積が前年産に比べ1.1%(238ヘクタール)増加した。作柄については、鹿児島県における台風10号の被害の影響がみられるものの、一部の島において梅雨以降の干ばつ傾向からの回復が見られることから、現時点ではおおむね平年並みの生育と見込んでいる。産糖量は13万7000トン(前年産比2.2%増)、供給量は13万1000トン(前年度比2.2%増)と見通している。

(3)加糖調製品の需給

 令和6砂糖年度の加糖調製品の消費量は、輸入価格の下落は見込まれるものの、昨年、一昨年の大幅減少からの輸入量の戻りは限定的であると見込まれることから、37万トン(前年度比2.2%増)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
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(4)異性化糖の需給

 令和6砂糖年度の異性化糖の消費量は、近年の消費動向を踏まえ、78万トン(前年度比0.1%増)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。
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2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
8月の輸入量は前年同月から大幅に増加
 
財務省「貿易統計」によると、2024年8月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、7万4188トン(前年同月比86.7%増、前月比22.4%減)であった(図1)。

 


 

 
 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ
 1万2950トン(前年同月比9.1%増、前月比34.2%増)

 豪州
 6万1238トン(同2.2倍、同28.8%減)
 

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 2024年8月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、9万6720円(前年同月比8.8%安、前月比9.1%高)であった(図3)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ
 9万6720円(前年同月比8.7%安、前月比10.8%高)




 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、8万9961円(前年同月比12.8%安、前月比0.3%高)であった(図4)。
 
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【含みつ糖の輸入動向】
8月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2024年8月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、60トン(前年同月比17.6%増、前月比75.7%減)であった(図5)。

 輸入先は中国、フィリピンおよびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国
 36トン(前年同月比5.3%減、前月比82.8%減)

 フィリピン
 23トン(同76.9%増、同34.3%減)

 インド
 1トン(前年同月輸入実績なし、同50.0%減)







 

 
 2024年8月の1トン当たりの輸入価格は、26万7583円(前年同月比7.8%高、前月比20.4%高)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国
 21万4333円(前年同月比3.1%高、前月比7.0%高)

 フィリピン
 33万9826円(同7.2%安、同0.8%安)

 インド
 52万3000円(前年同月輸入実績なし、同57.8%高)
 

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【加糖調製品の輸入動向】
8月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに減少

 財務省「貿易統計」によると、2024年8月の加糖調製品の輸入量は、3万1337トン(前年同月比2.1%減、前月比10.5%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

 


 

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3 異性化糖の移出動向

9月の移出量は前年同月からかなりの程度減少
 
2024年9月の異性化糖の移出量は、6万1098トン(前年同月比6.4%減、前月比11.7%減)であった(図9)。

 同月の種類別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満
 240トン(前年同月比37.1%減、前月比3.5%増)

 同40%以上50%未満
 1万5883トン(同2.0%減、同6.4%減)

 同50%以上60%未満
 4万3945トン(同7.7%減、同13.9%減)

 同60%以上
 1029トン(同0.3%増、同6.7%増)




 

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4 価格動向

【市場価格】
異性化糖は前月後半から3円程度値上がり
 
9月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪
 同249〜251円

 名古屋
 同252円

 関門
 同254円

 上白糖(小袋)
 東京
 1キログラム当たり261〜265円

 大阪
 同264〜265円

 本グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり254〜256円

 大阪
 同254〜256円

 名古屋
 同257円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪
 同249〜251円

 名古屋
 同250円

 9月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
 1キログラム当たり166〜169円

 果糖分55%もの
 同172〜176円

【小売価格】
9月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で55.5円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける9月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、261.5円(前年同月差23.7円高、前月差0.7円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は55.5円であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

(注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県

   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

 

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9月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で77.2円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける9月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、318.8円(前年同月差28.3円高、前月差0.4円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かった関西との価格差は77.2円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。
 

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9月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で66.7円
 
KSP-POSデータ(全国501店舗)によると、スーパーにおける9月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、303.9円(前年同月差25.5円高、前月差0.4円高)であった。最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関西との価格差は66.7円であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
 

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【支出金額および購入数量】
8月の砂糖の支出金額は前年同月からかなりの程度上昇
 
総務省「家計調査」によると、2024年8月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は27回、1世帯(二人以上)当たりの支出金額は80円(前年同月比6.7%高、前月比21.6%安)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、269グラム(同9.3%増、同4.9%減)であった(図12)。

 


 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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