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最終更新日:2025年1月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(11/1〜12/9)
〜11月は21から22セント台の間で上昇・下落を繰り返す〜
2024年11月のニューヨーク粗糖先物相場(3月限)の推移を見ると、1日はレアル安(注1)により1ポンド当たり22.07セント(注2)と前取引日から0.67セント下落した。4日はブラジルの降雨予報で干ばつの懸念が和らいだことで弱含み、5日には同21.90セントとなった。6日以降はレアル高により上昇したが、8日以降はレアル安と原油安(注3)で下落し、13日には同21.17セントとなった。14日以降はブラジルの製糖工場で季節的な操業停止期間を前倒しする工場が増える見通しなどを受けて上昇し、18日には同22.20セントとなった。19日以降はタイの増産によりブラジルでの工場閉鎖に伴う供給不足の懸念が和らいだことに加え、国際砂糖機関(ISO)が砂糖不足の予測値を引き下げたことで下落し、25日には同21.15セントをつけた。26日以降はブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が中南部地域での砂糖減産を発表したことなどから上昇したものの、29日はブラジルレアルが対米ドルで過去最低値を記録したことから、同21.08セントまで下落した。
12月に切り替わると、2日は引き続きレアル安により弱含んだが、3日は原油高により上昇した。4日以降は世界的な供給回復の見通しから緩やかに下落したものの、6日はブラジルの中南部地域における降水量減少予測により上昇し、同21.81セントとなった。しかし、9日は同地域における降雨予報が発表されたことで同21.50セントと下落した。
(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。