ニューヨーク粗糖先物相場の動き(12/2〜1/10)
〜12月はブラジル産砂糖の増産により、19セント台まで下落〜
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2024年12月のニューヨーク粗糖先物相場(3
月限)の推移を見ると、2日はレアル安
(注1)により1ポンド当たり21.07セント
(注2)と前取引日に続き弱含んだが、3日は原油高
(注3)により上昇した。4日以降は世界的な供給回復の見通しから緩やかに下落したものの、6日はブラジル中南部地域の降水量の減少予測により、同21.81セントと上昇した。11日は原油高で一時的に上昇したものの、ブラジル産砂糖の供給量増加により下落基調となり、17日には23年9月以来の19セント台に突入し、同19.84セントとした。19日にはインドで余剰分の砂糖輸出を許可する可能性が示唆されたことで下落し、同19.40セントをつけた。20日以降は若干の回復を見せるものの、26日には市場での砂糖供給の楽観的な見通しから、同19.26セントと下落した。27日はブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)が中南部地域での砂糖減産を発表したことを受けて小幅な上昇となったが、30日は世界的な供給回復の見通しから下落し、31日は原油高を受けて同19.26セントと再び上昇した。
1月に切り替わると、2日はインド砂糖・バイオエネルギー製造業者協会(ISMA)が10月から12月までの砂糖生産量が前年同期と比較して減少したことを発表し、同19.73セントと上昇したが、3日以降は供給懸念の緩和とドル高で下落基調となり、10日には同19.22セントをつけた。
(注1)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注2)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注3)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。